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“mixi友達”だった丹羽と交際を開始

 聡さんの死後、新たな同居人として加わったのが丹羽だった。2012年頃、石井は「1つ年下のナカムラアオイ」と年齢も名前も偽ったまま、“mixi友達”だった丹羽と交際を開始した。一時期、丹羽が住んでいた千葉県浦安市のアパートに転がり込むも、その後、石井が本庄の家に拠点を移すと、仕事を辞めた丹羽もそこに合流。2015年5月のことだ。

石井被告と丹羽被告

 この時点で家の住人は、石井、丹羽、中川さん、優子さんの4人。ちなみに石井は、丹羽に他の2人のことを「私のオバと内縁の夫」と説明。同居人の素性も欺いていた。

 不穏な“事件”が起きたのは、丹羽が加入して間もない頃だったという。

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「ある朝、パジャマ姿のお婆ちゃん(優子さん)が、『殺される!』と言って、裸足のまま駆け込んできたんです。石井さんや丹羽さんに『押し入れに閉じ込められる』と言って怯えていました。警察を呼びましたが、2人は『認知症だから』と説明して乗り切ったようです」(近所の商店主)

丹羽洋樹被告

 以降、家の窓に目張りがされ、周辺で優子さんの姿は見かけられなくなった。一方、石井は優子さんに「銀行口座の管理を任せる」旨の委任状を書かせていた。その後、優子さんが本庄の家で死亡。その事実を伏せたまま、石井が彼女の老齢基礎年金や遺族厚生年金を不正に受給し続けるのである。

石井のスマホに残されていた〈チーン合掌〉

 石井と丹羽は、陰で中川さんを「エセゴロウ」、優子さんを「ジャギ」と呼んでいたという。優子さんが死亡したと推定されるのは、2017年9月24日。その根拠は、石井のスマホに残されていた次のメモ書きだった。

〈ジャギ 10時頃 チーン 合掌〉

 享年79。優子さんの遺体は、人知れず本庄の家の床下に埋められた。歩夢くんの事件発覚後、彼女の遺体は床下の土中から白骨化した状態で見つかっているが、死体遺棄罪の時効は過ぎており、事件化はしなかった。石井の裁判でも、優子さんの死や埋葬の経緯については言及されていない。