「ときには包丁を振り回すような暴力的な面もありました」

 幼い頃、母親から暴力を振るわれたMiAさん(32)。そんな複雑な家庭環境ゆえか、小中学校はほぼ不登校、父親のツテで入った高校は2ヶ月で退学……。

 そんな苦しい状況下でも、ギタリストになるという夢を見つけ、今ではHYDE、GACKTとも共演する一流の奏者になれた理由とは?(全2回の2回目/前編を読む)

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今年8月、SNSで「乳首切除」の投稿が話題を呼んだMiAさん。そんな彼がギタリストとして超一流になるまでには「壮絶な人生」があった―― ©橋本篤/文藝春秋

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「居場所がなかった」少年時代

――幼少期は、どんな子どもでしたか?

MiA あまり学校に行かない子どもでした。小学生の頃から、出席日数はギリギリ。朝は眠くて起きられないし、勉強も好きじゃない。給食で野菜を食べなきゃ帰らせてもらえないのも嫌でした。

 でも1年生のときに、いじめっ子よりも強くなりたいと思ったのと、K-1選手に憧れたことがきっかけで、空手にハマったんです。学校には行かず、いつも道場に通っていました。勝ち負けが明確で、打ち込みやすかったんだと思います。

――学校には居場所がなかったのでしょうか?

MiA 中学のときは週の半分ぐらいは行っていたんですけど、部活もやっていないし、特に思い出もないですね……。中2になるタイミングで家の近くに新しい中学ができて、そちらに転校したんですが、校風があまりにも自由すぎてみんな不良になっちゃった(笑)。

 原付きバイクで学校に行ったり、バットでガラスを割ったり、近くの中学校の生徒がケンカをするために乗り込んできたり……大荒れでしたね。

 僕は不良でもヤンキーでもないけど、本心ではルールは守るべきと思っているんです。でも、当時は完全にまわりに流されていました。せっかく続けてきた空手もやめましたし、素行が悪すぎたため、受け入れてくれる高校もなくて……。

――中学卒業後の進路は?

MiA 父親が元々ジャニーズ事務所でマネージャーをやっていた関係で、芸能コースがある日出高校(現:目黒日本大学高等学校)になんとか入学できたんです。プロのギタリストになろうと思っていたのでラッキーでした。ちょうどAKB全盛期で、同じクラスには板野友美、隣のクラスには前田敦子や柏木由紀がいましたね。

――ギタリストを志望したきっかけは何だったのでしょう。