25年前のきょう、1993(平成5)年3月28日、東京・両国(墨田区)に東京都江戸東京博物館が開館した。この博物館は江戸・東京の歴史と文化を振り返り、未来の都市と生活を考える場として、両国駅の貨物駅跡地を利用して建設されたもの。常設展では江戸・東京の歴史と文化が、実物資料のほか復元模型もふんだんに用いて紹介されている。来場者はこの常設展示室へ、江戸時代初めに創建された当時の姿で再現された実物大の日本橋を渡って入ることができる。
4つの大きな柱で地上から持ち上げられた博物館の建物は、建築家・菊竹清訓により高床式の倉をイメージして設計された。その高さ62メートルは、江戸時代初期に築かれ、その後焼失した江戸城天守閣の高さを踏まえたものだという(「日経スタイル」2013年5月4日)。
2015年には、常設展示室がリニューアルし、既存の江戸ゾーンと東京ゾーンを結ぶ「江戸から東京へ」(幕末・維新の東京をとりあげる)や、また「高度経済成長期の東京」「現代の東京」といったコーナーが新たに加わり、高度成長期に建設された集合住宅の一つである「ひばりが丘団地」の一室を復元した展示などが設けられた。
なお、江戸東京博物館と同日には、その分館で、江戸時代から昭和にかけての歴史的建造物を移築・復元した江戸東京たてもの園が東京都小金井市に開園している。