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東京五輪の闇をポロリと暴露…馳浩石川県知事に対する、地元紙の「お叱りの角度」が独特すぎた

2023/11/28
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森喜朗のうらみ節が炸裂

 さて今回、私が注目したのは「馳の地元紙・北國新聞はどう伝えたのか?」である。石川県で大きなシェアを誇る新聞だ。新聞好きな私はかなり前から「北國新聞に注目してごらん」といろんな方に教えてもらっていた。森喜朗(石川出身)と近く、権力者との一体感があるからだという。

 最近でも「総理が語る」という企画に森喜朗が度々登場して好き放題に語っていた。森は安倍派の今後について持論を語り、それを北國新聞が「御託宣」のように報じる。この異様さから目が離せなかった。

©文藝春秋

 8月7日付の紙面では、下村博文が安倍派の会長になりたいと頼みに来たと森喜朗は語っている。「今までのご無礼をお許しください」と土下座する下村に対し「君は私に無礼を働いたのか。その自覚があるなら私は絶対に許さない。帰ってくれ」と言ったと。森喜朗が私怨を全開にしているだけの記事だった。驚いた。

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 このあと下村は、土下座はしていないと主張。森に嫌われる理由を、文科相時代に国立競技場整備計画の白紙撤回をしたことが要因だと言っている。森喜朗が招致に力を入れた2019年ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会に整備が間に合わず「それ以来、森氏に恨まれている」というのだ(共同通信9月12日)。

 なるほど新国立競技場建設とは森喜朗の都合だったのか。そう思えてしまう。ラグビーW杯も東京五輪も森喜朗の意向が大事。

馳浩に対しては…?

 では今回、森喜朗が力を入れた東京五輪招致の内幕をしゃべってしまった馳浩に対し、北國新聞はどう報じているのか? 結論から言うと怒っていた。

 ただ、その怒り方の「角度」が気になった。まず先週月曜(20日)に掲載された「馳知事発言を考える」というコラム。書き手は「政治部長 藤澤瑛子」というので注目した。すると、

《以前から知事は、自身のブログや月刊誌の連載コラムで、県職員や記者らの話題を許可なく、職務中、プライベートの別もなく書いてきた。公人である自らの公務中の発言に一方的にオンレコ、オフレコを設けようとするのは、虫が良すぎるだろう。》

《言動に慎重を期すための糧としてほしい。》