さまざまな番組で司会を務め、テレビで目にしない日はない人気芸人くりぃむしちゅーの上田晋也氏。独創的な例えツッコミは多くの人に評価されている。
そんな上田晋也氏が自身のワードセンスを存分に発揮して描き下ろした一冊が『赤面 一生懸命だからこそ恥ずかしかった20代のこと』(ポプラ社)だ。ここでは、同氏がかつての思い出を振り返った書籍の一部を抜粋し、爆笑問題の二人との“奇妙な関係性”について紹介する。
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爆笑問題への本音
私は、芸能人の友達が数えるほどしかいない。芸能人同士、特に芸人同士の場合、年の差やキャリアの差などが邪魔をし、先輩後輩といったニュアンスが出てき、厳密には友達とはいい難い、といった場合がほとんどではないかと思う。
もちろん、そのせいばかりではないが、友達と呼べる人が果たして何人いるだろうか? その数少ない芸能人の友達に、爆笑問題の二人がいる。
爆笑問題の二人は、私より年もキャリアも5年ほど上だ。完全なる先輩で、本来友達と呼ぶのは憚られる年とキャリアの差だ。しかし、失礼ながら爆笑問題に関しては、友達といって差し支えないように思う。正直あまり先輩とも思っていないし、会話をする時に敬語も使わない。
その証拠に、本来ならこの文章でも“爆笑問題さん”とか“爆笑問題のお二人”と書くべきところだが、その気配はまったくない。まあ、気配も何も私のさじ加減一つなのだが。
敬語を使わないどころか、太田さんに至っては日頃から「ぴーちゃん」とあだ名で呼んでいる。別にナメているわけではない。太田さんのことも田中さんのことも、人間としても芸人としても尊敬しているし、最低限の気遣いはしているつもりだ。ちなみに芸人同士というのは、コンビのどちらかとだけ仲がいい、というパターンがほとんどだが、私は爆笑問題とは二人とも仲良くさせてもらっている。