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全国各地のライブ会場に出没、家の前まで付いてくる、彼女かのような手紙を郵便受けに…上田晋也が体感した“熱狂的お笑いファン”のリアル

『赤面 一生懸命だからこそ恥ずかしかった20代のこと』より #2

2023/12/03
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熊本でおよそ20年越しの再会

 それからおよそ20年後、我々くりぃむしちゅーは、「熊本復興支援チャリティトークライブ」をコロナ前まで行っており、そのライブでは終演後、会場ロビーで、来てくれたお客さん一人ひとりと握手をし、我々のステッカーを配り、募金を募ったりしていたのだが、その第何回目かのライブ終了後、お客さんたちと握手をしていると、久々に、聞き慣れた声で呼びかけられた。

©AFLO

「上田さん、久しぶりー! 元気そうだねー!」

 T美ちゃんであった。相変わらず明るく、元気で、馴れ馴れしい距離感のままだった。

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「おー、なんだよ、久しぶりだなー! 元気だったかー?」

「うん、元気元気! ちゃんと真面目に社会人やってるよー!」

「おー、そうかー! いや、長年顔見せないから、元気にしてるかなー、って気になってたんだよー!」

「うん、また来るよー!」

「おう、また来いよー!」

 次のお客さんも並んでいたため、それだけのやり取りだったが、なんだか初恋の人に再会したような気分になって嬉しかった。T美ちゃんが相変わらずのキャラで、そして元気そうでよかった。また来いよ、っていっても家には来るなよ、と、およそ20年越しに言いそうになったが、今ならT美ちゃんが家に来ても、お茶くらいは出してあげると思うし、近所にご飯でも食べに行き、昔の話でもするかもしれない。

 応援してくれるファンの方というのは、本当にありがたいものだ。今もこんな私を応援してくれる人が、数多くいる。いや、失礼、見栄を張った、数多くはないが、何人かいてくれる。中には、事務所に手紙を送ってくれるだけじゃなく、クリスマスや誕生日プレゼントを贈ってくれるファンの方もいる。

「テレビに出ている上田さんに笑わせてもらって、いつも元気をもらってます」というようなことが書いてあったりするが、そういう手紙をもらって「よし、この人が応援してくれているから頑張ろう!」と励まされているのは、私のほうなのである。ましてや、プレゼントまでいただくのは本当に恐縮だし、申し訳なさすぎる。プレゼントを差し上げたいのは私のほうなんですから、どうぞお気遣いなさいませんよう。

 私が出ている番組を観ていただければ、それで十分ありがたいです。私が出ている番組を全部ご覧いただいて、「上田は面白い」と、あらゆるSNSに書き込んでいただいて、さらに私の著書『経験』と『激変』と、そしてこの『赤面』を一人数冊ずつ買っていただければ十分、まっ、十分というか腹二分目なんで大丈夫ですよー!

全国各地のライブ会場に出没、家の前まで付いてくる、彼女かのような手紙を郵便受けに…上田晋也が体感した“熱狂的お笑いファン”のリアル

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