11月24日、作家の伊集院静さんが亡くなられました。享年73。

 11月30日発売の「週刊文春」および29日に配信した「週刊文春 電子版」では、阿川佐和子さんや西原理恵子さんら生前親しくお付き合いのあった方への取材をもとに、〈追悼・伊集院静「愚か者」の流儀〉と題した伊集院さんの追悼記事を掲載しています。

作家の伊集院静さん

 親交のあった松任谷由実さんにも取材をお願いしたところ、コメントを編集部にお寄せくださいました。紙幅の都合で誌面では一部のみ掲載しておりますが、ここに全文を公開します。

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伊集院 静   様
  
 心よりご冥福をお祈りいたします。

 訃報を知り、やはり伊集院さんはTVニュースになるほどのスター作家なのだものねと思ったら、いっしょに仕事をした遠い昔が、ひたむき過ぎて懐かしく、誇らしく、どうしようもなく悲しくなりました。
 
 出会いは、私の初リゾートコンサートの打ち上げ。知り合いのGデザイナーたちと葉山に来てくれたときだと思います。それからしばらくして我家に遊びに来て、演出にダメ出しするものだから、松任谷正隆が「だったら、伊集院さんやってくださいよ!」と頼んだのが、“伊集院演出”の始まりでした。

 有名な本物の象も、クレーン式の龍も、伊集院さんのアイディアです。

 CFディレクターとしての発想だったのでしょう。それをステージで実際にやってしまうから、舞台演出家としても相当面白かったと思いますよ。