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「さだまさしの『案山子』を歌いながら泣いていた」
瑞江駅から15分ほど歩くと見えてくる商店街。渥美容疑者の自宅からも近いカラオケ居酒屋では、地元客で賑わう中、周囲が聞き惚れる美声を響かせていた。
「週に2日はこの店に来てくれて、昨年夏には堀君(俊哉容疑者)も連れて来ていた。毎回20曲は歌っていました。コブクロなんかをよく歌って、平均93点くらい出すんです。キーの高い女性歌手の歌でも上手に歌いこなしていました。ウチに来た時はもう両親は亡くなっていたみたいで、その話をすると泣いちゃうんです。ある時はさだまさしの『案山子』を歌いながら泣いていました。歌詞がいいから、感極まっていたんだろうね。『安くしてあげるよ』とトイレの水回りを修理してくれたこともありました。常連客だからよくラインのやりとりもしていたんだけど、7月23日から既読がつかなくなって、心配していたんです」(カラオケ居酒屋の店主)
人情味のある好青年にも思えるが、実はその顔には二面性がある。2021年2月に渥美容疑者の祖父が亡くなると、祖父の持ち家だった江戸川区内の分譲マンションを相続。当時の様子を、マンションの近隣住民が振り返る。
「あそこの部屋には、もともと遼馬君の祖父母しか住んでいなかったんだよ。彼のお父さんは祖父の連れ子みたいで、祖母との血縁がないからか、同居はしていなかった。それで、祖父が亡くなって、体の不自由な祖母が助けを求めた。『私に代わってこの部屋を売却してくれ』とね」
売却が決まったのは同年の10月。しかし後日、前出の近隣住民は、渥美容疑者の祖母からこんな悩みを聞かされている。