「互いの未来を縛る」結婚制度に違和感
現在の結婚制度は、モノガミー(単数婚)を前提にしている。だから、「独占する権利を持っている」「許さない権利がある」というものが含まれていることに、文月さんもあすみさんも、違和感を持っている。「結婚式で、神父の前で誓うことにも違和感があって。愛し続けることを誓いますかって言われても、変わるかもしれないことまで誓うのは無責任だなっていうか」と文月さん。毎月更新や一年更新。「許さない権利」の放棄。項目ごとに選んで、話し合えるような制度の方がいい。
多くのカップルも、そうしたことを一度は考えた方がいいのではないか、と時々考える。
結婚は、互いの未来を縛るもの。それは、安心感よりも不自由につながる方が大きい、とも感じている。
顔や名前を出して活動する文月さんのもとに、複数愛について相談が来ることもしばしばある。一番多いのは、嫉妬のコントロールについてだ。「どうしても嫉妬してしまう」「パートナーの嫉妬が強い」。そうした問いに対して、正解のようなものを提示することはできないという。
嫉妬と一口に言っても、いろいろな感情や理由がある。そして、嫉妬の理由も、人それぞれだ。
「そもそも嫉妬の感覚って、『見捨てられ不安』だけでなく、自分が我慢してるのにずるい、って感覚もあるみたいなんですよね。驚いたのが、バラエティ番組の取材を受けた時、『自分の奥さんが他の男とセックスをしたと聞いたら、その後にセックスする時、他の人が舐めた飴を舐めるみたいな気持ち悪さはないですか』って言われて。そういう潔癖というか、『穢れ』のような感覚が人にあるのか、って思いました。だから、どんな嫉妬を、なぜ、どのようにするのか。それをひとまず、整理して、置き換えられるところから始めたら、と答えることが多いですね」