皇族として生まれた成年女性皇族に「周りの友達と立場が違う皇族であることを意識されるようになったのはいつ頃でしょうか」と尋ねたことがあった。「小学校で……、低学年のころだったと思います」という答えだった。

 天皇家の長女愛子さまは、2023年12月には22歳になる。24年春には学習院大学文学部日本語日本文学科を卒業予定。秋篠宮家の長男悠仁さまは筑波大学附属高等学校2年生。同年9月には18歳で成年となり、大学進学の時期を迎える。21世紀前半の皇室を牽引しているのが5歳の年齢差がある天皇陛下と秋篠宮さまであり、同様に5歳違いの愛子さまと悠仁さまが、その身位と年齢から考えると22世紀の皇室への重要なつなぎの役割を担っている。

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約30分間、会見で自分の考えを明確に語った愛子さま

「皇室は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす、ということが基本であり、最も大切にすべき精神であると、私は認識しております」。22年3月17日、愛子さまは20歳の成年に伴う会見に臨み、記者からの質問によどみなく答えた。事前提出の5問とその場で出された3つの関連質問にほとんど言い直しや言葉の詰まりもなく約30分間自分の考えを明確に語った。

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 幼かったとき、上皇ご夫妻に参内する予定だったが、車に乗るのをむずかり、両陛下だけが出掛け、愛子さまは看護師に手を引かれ東宮御所に引き返すこともあった。学習院初等科・女子中等科時代は、乱暴な行為をする男子児童がいて、雅子さまが同伴登校したり、体調などで授業を欠席することも少なからずあった。高校時代は激痩せし、周囲を心配させた。そうした成長過程を振り返るにつれ、会見に臨んだ愛子さまの姿と話の内容は、非常に感慨深いものがあった。