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「生放送で初めてのヘアヌード!」と銘打った番組が放送されたことも…今なら“決して放送できない”平成のテレビ番組のムチャクチャ【写真あり】

『ニッポンの闇』より #3

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デーブ 僕も深夜番組けっこう出てたんですけど、(片岡)鶴太郎さんが司会で、僕の紹介の時「そしてヘルペス治ったばかりのデーブ・スペクターです」ってやって。そんなのばっかりみんなやってたんですよ。

片岡鶴太郎さん ©文藝春秋

中野 きっと今のテレビだと放送できないんだろうなあ。この『平成教育委員会』の時、私がうっかり胸が割と深く開いてる服で行っちゃって。で、クイズの回答をするためのボタンは右側にあるんですけど、ボタンを押す前にペンで回答を書かなきゃいけない。右手で回答書いて、また右手でボタン押すとなると時間がかかるじゃないですか。だから左手でボタンを押せばちょっとでも早くなると思って腕をクロスさせながら真剣に問題を待ってたんですよね。

 そしたらたけしさんが「中野君がだっちゅーののポーズでスタンバイしてます」と言って、しばらく笑いが起きてましたね……。笑われるつもりはなかったんですけど。でも、こういうのももう、今だとどうなんだろう。

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デーブ 外見をいじるのは一般人でもふつうじゃない? 着てるものとか。

中野 うーん。セクシュアルなことに言及するのがもうアウトな感じがあるような気もしてまして。もちろん容姿については、褒めてもいけないし、けなすのはもってのほかでしょう。外見に触れること自体が今のコンプライアンス的に微妙になってますよね。

デーブ そうそうそうそう。それよくないですよ。僕しょっちゅう褒めるけどね、髪型とか。別にやらしいあれじゃないんですけどね。

中野 ね。花がきれいねっていう感じ。

デーブ だって言われたいじゃない。それもダメなの?って思うよ。

中野 だんだんダメになりつつありますよね。あと数年もたないんじゃないですかね。

「イケメン」って言葉ももう使っちゃダメ?

デーブ イケメンも? 何か言っときゃいいのかなっていう感じで「イケメンですよね」って使うけど。

中野 イケメンもだんだんダメになっているんじゃないですか。女性側からちょっとずつ来てますよね。ブスもダメだけど、美人は美人で「美人って言われた方が困る」、みたいな形で使いづらくなってません?

デーブ 『サンジャポ(サンデー・ジャポン)』でも議論になったんですけど、女性のスタイルとか外見ね、持って生まれたものじゃないですか。努力も必要でしょうけど、頼んでそう生まれたわけじゃないし、アスリートだってそうですよね。誇りに思ってもいいじゃないですか。生物の本能として美しいものを求めるし、見たいですよ、だって動物だし。繁殖したいから。本当にスタイルのいい人とか美人、逆にかわいそうになっちゃうね。逆差別ですよね。

中野 美人が、自分が美人であることに罪悪感を持たせられてしまう、みたいな風潮が強くなるのはちょっとどうかと思いますね。

ニッポンの闇 (新潮新書)

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中野 信子 ,デーブ・スペクター

新潮社

2023年12月18日 発売

「生放送で初めてのヘアヌード!」と銘打った番組が放送されたことも…今なら“決して放送できない”平成のテレビ番組のムチャクチャ【写真あり】

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