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「7月6日に初めて言ったので、1日しか悩ませていませんよ」

 A子さんの帰宅後、X先生はA子さんの両親に席を外させ、玄関の外で「お父さんに話すと約束していたけど、今からお母さんに話していい?」と聞き、両親にトラブルの内容を報告。その席でX先生は、A子さんがBさんとCさんに対し謝ったことを受け、「A子さんが認めはりました」と発言した。

 一方、A子さんの母親は、X先生に「もう一回考えて」と言われたことにより、A子さんが悩み苦しんでいたことを伝えた。だが、X先生はこう反論した。

「Cさんの件は7月6日に初めて言ったので、1日しか悩ませていませんよ」

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 だが、A子さんがそこで「図書室に呼び出されたのは、7月4日」だということを説明すると、X先生は再び反論。

「図書室に呼び出したのは、死にたいとノートに書いていた件で話を聞くためだった」

 こうしたX先生のちぐはぐな説明を聞き、A子さんとA子さんの両親はさらに不信感を募らせていく。2022年7月19日には、クラスで配られた問題集の解答がA子さんの手元に渡っていなかったこと等が判明し、A子さんの母親は不信感をさらに増大させていったのである。

 以上が、A子さんと花マルをつけたX先生の間に起きた事案の概要だ。

 報告書には〈X教諭が児童Aの保護者に対し、いじめのアンケート調査の回答の記載に関して真実と異なる説明をしたことや、指導を行った日付についての説明内容が変わることが多々あったことについては、児童A及びその保護者から、X教諭だけなく学校に対する不信感を招来させることとなった〉とも記されている。

 最後に、A子さんの代理人である三橋和史弁護士が言う。

「被害児童(A子さん)は、適応障害、心的外傷後ストレス障害を順次発症し、現在も学校生活において配慮が必要な状態が続いています」

 奈良市は、近く調査結果を公表することにしているという。

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