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離職した職員の“告発文書“を入手

 実はファンの目にも今夏、ある異変が起きていた。BMSG立ち上げ時から関わってきたクリエイティブ・ディレクターのS子さんが8月、突如としてツイッター(現X)上で「卒業」を宣言したのだ。

 その理由がSKY-HIから公に語られることもなく、一部ファンから「S子さん何で辞めちゃったんでしょう」「大丈夫かな」などと、訝しがる声がネット上で飛び交っていた。

本人SNSより

「S子さんは韓国の音楽に詳しく関連著書もある専門的なライターだった。海外で音楽ビジネスの教育も受け、イベント開催も手掛けていた。そこでSKY-HIさんが会社設立時からS子さんの知識や人脈を頼って引き入れた。以来、会社の中心的な役割を果たしていたことはファンにも知られていたので、離職は唐突な印象でした」(前出・音楽メディア関係者)

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 そんな中「週刊文春」が関係者への取材を進めると、真相につながるある文書を入手した。この文書はS子さんが離職前、会社への主張や交渉用に作ったものだ。冒頭、このように書かれている。

 <私の気持ち、仕事をがんばってきた、手塩にかけて育ててきたMAZZELを手放す気持ちを聞いてほしい>

 <辞めざるを得なくなる事に当たっては、私自身がパワハラだと思うようなことがたくさんあった>

 <私は、心療内科で適応障害と診断されましたが、発症の原因はBMSGにあるということが明らかです>

 <私が適応障害になった最大の原因はいろいろありますが、一番大きいのが日高社長によるパワーハラスメントです>

 11ページに渡る文書では、「パワハラ」との言葉が計21回登場。いわば、SKY-HIによるパワハラへの“告発文書”なのである。

S子さんの告発文

月300時間を超える過重労働

 一体何が起きたのか。同社関係者が明かす。

「SKY-HI社長とS子さんとの間には傍目にも確執が生まれていました。社長がS子さんに対して、様々な形で『ダメ出し』を重ねた。そして徐々にS子さんを仕事に関わらせないようにしていった。S子さんはそれを『パワハラ』と表現したのだと思います」

 文書をもとに経緯を辿る。まずS子さんは<会社の不適切な行為>として以下を挙げている(以下、引用は一部省略を含む)。

 <業務委託なのに実質は雇用状態で、「偽装請負」といって法に反する>

 <会社は私のことを社会保険に加入させる義務がありました>

 <月300時間を超える過重労働><多かった月は500時間><休日は元旦のみでした>