人気ミュージシャンでラッパーのSKY-HI(スカイハイ)こと日高光啓(37)が代表を務め、2020年に設立した芸能事務所「BMSG」。その事務所から今年6月、主力の女性ディレクターS子さんが、SKY-HIの「パワハラ」行為を訴えて離職していたことが「週刊文春」の取材で分かった。女性は「適応障害」と診断されたほか、離職後には別の命にかかわる重病も発覚し、療養中という。

 小誌は、女性が離職前に記した「告発文」とも呼ぶべき文書を入手。そこにはSKY-HIに「パワハラを受けた」と明記され、その行為がリスト化されていた(#1)。そして、告発文には、S子さんの身に主に3つの<パワハラ>事件が起きたと記されていた。(全3回の2回目/続きを読む)

SKY-HIこと日高光啓(本人SNSより)

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ミーティングで起きた悪質なパワハラ

 1つ目の事件が最も決定的なもので、#1で触れた「最終審査」の数日後に起きた出来事である。

 オーディションの「反省会」としてSKY-HIがスタッフを集め開いたミーティングで、S子さんが<あれは悪質なパワハラだったという認識です>と振り返る一件だ。

 その名も<ポストイット事件>。文書や関係者への取材によればおおむね次のような経緯である。

S子さんの告発文

ポストイットは陰湿な“オマージュ”

 22年10月31日、都心の事務所で10人弱がテーブルを囲む中、スタッフの一人が以下の趣旨で切り出した。

「オーディションの参加メンバーたちにS子さんへの不満があり、もう耐えられないとのことで相談がありました。社長に相談した上でこのような形をとることになりました」

 そしてスタッフはSKY-HIの指示のもと、それぞれにS子さんの「問題点」が書かれた付箋(いわゆるポストイット)を取り出し、読み上げながら一枚一枚、机に貼り出したのだという。

 その中身は「かばんを置きっぱなしだった」「特定の子だけに、のど飴をあげていた」「自主練をやれって言われた」「ジェンダーの講習を受けさせられた」などの趣旨で、参加メンバーからの聞き取りという体裁だった。

 この場面に居合わせた関係者が語る。