人気ミュージシャンでラッパーのSKY-HI(スカイハイ)こと日高光啓(37)が代表を務め、2020年に設立した芸能事務所「BMSG」。その事務所から今年6月、主力の女性ディレクターが、SKY-HIの「パワハラ」行為を訴えて離職していたことが「週刊文春」の取材で分かった。女性は「適応障害」と診断されたほか、離職後には別の命にかかわる重病も発覚し、療養中という。
「週刊文春」は、女性が離職前に記した「告発文」とも呼ぶべき文書を入手。そこにはSKY-HIに「パワハラを受けた」と明記され、その行為がリスト化されていた。その中には思わず胸が締め付けられるような内容もあって――。(全3回の1回目/続きを読む)
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『AAA』ではアイドル的人気とダンスや歌の実力を両立
千葉県出身のSKY-HIは早稲田実業高校を卒業し、早稲田大を中退。10代から芸能活動を始め一時はジャニーズ事務所に所属した。2005年、エイベックスから男女混合の音楽グループ「AAA」(トリプルエー)の一員、主にラップ担当として本名・日高光啓名義でデビューした。
AAAは日本レコード大賞最優秀新人賞、優秀作品賞などを受賞する人気グループに。YouTubeでも人気曲「さよならの前に」のMVなどは1億回再生を上回っている。
一方、ソロ名義「SKY-HI」でラッパーとして活動も続けてきた。
音楽メディア関係者が話す。
「『AAA』ではアイドル的人気と、ダンスや歌の実力を両立させていた。またラッパーとしても早口でまくし立てるなど本格的なスキルがあり、ラップ業界でも一目置かれる存在です」
次世代のエンタメ業界を担う「社長」としてメディア露出も増加
SKY-HIが「私財1億を投じる」として2020年に設立したのが芸能事務所「株式会社BMSG」(東京)だ。「日本の芸能業界は危機的状況」「このままでは世界で生き残っていけない」などと危機感を語り、K-POP界で主流だったオーディション番組からのグループデビューを仕掛けた。
第一弾のオーディション「THE FIRST」は日本テレビ「スッキリ」で21年に連続放映され、参加者は男性グループ「BE:FIRST」としてデビュー。22年にNHK紅白歌合戦に出演し、今年の紅白出場も決まっている。更に次のオーディションを経たグループ「MAZZEL」も今年5月にデビューし、他にも複数のソロのアーティストが所属している。
従業員も30人を越えたといい、設立3年で軌道に乗っているSKY-HIの会社経営。今年3月には日経BPから著書『マネジメントのはなし。』を刊行するなど、次世代のエンタメ業界を担う「社長」としてメディア露出も増えている。だが――。