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「兄を刑務所に入れて」NHK朝ドラ主演女優・藤田三保子が告発 子どもを性虐待

「ルポ男児の性被害」連載

2023/12/20

source : 文藝春秋 電子版オリジナル

genre : ニュース, 社会

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「母は詳しいことを言わずに行ったのですが、後で聞いたら、兄が盗みを働いて警察に捕まったそうです。さもありなん、と思いましたね」

「お前のことが好きだ」母を押し倒していた剛

 再び一緒に暮らすようになった剛は、母との力関係で逆転するようになった。

 剛は母に対し「俺がこうなったのはお前のせいだ」と鬱憤をぶつけ続けた。

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「毎日親子げんかばかりしていて、うんざりしました。何をしたとかしないとか些細なことから始まるのですが、よく見れば、兄から母への愛と憎しみが渦巻いているのを感じました」

 後年のことになるが、剛が老いた母を押し倒して「お前のことが好きだと言っているのがわからないのか!」と叫んでいるのを、中学3年生のたえが目の当たりにしている。三保子はそれを聞き、兄の母に対する愛憎が根深いことを痛感することになる。

塚原たえさんの叔母は、NHKの朝ドラ『鳩子の海』でヒロインを演じた藤田三保子さん ©文藝春秋

 三保子が高校3年生になると、剛は結婚すると言って相手を連れてきた。母と同じ名前の女性だった。

 三保子は彼女を見て、内心、なるほどなと思った。弱々しくて、何でも言うことを聞いてくれそうな人を選んだな、と感じた。剛が暴力性を見せても服従する雰囲気が既にあった。

「思うに、兄は母のことをすごく愛していたのでしょう。だけど母から暴力を振るわれたり今でいうネグレクトのような状態に置かれたりして、愛情が歪んでいった。母で果たせなかった思いが、妻や、後には子どもたちに向かったのだと感じます。妻の名前が母と同じなのは偶然だと思っていたけど、母が満たしてくれなかったものを求めた結果なのかもしれません」

 1971年3月。高校の卒業式の5日後、三保子は女優をめざして東京へと旅立った。一方、その年の12月には、山口で家庭を持った剛に第1子が生まれる。たえだ。

幼少期のたえさんと和寛さん

本記事の全文、および秋山千佳氏の連載「ルポ男児の性被害」は「文藝春秋 電子版」に掲載されています。

 

■連載 秋山千佳「ルポ男児の性被害」
第1回・前編 「成長はどうなっているかな」小学校担任教師による継続的わいせつ行為《被害男性が実名告発》
第1回・後編 《わいせつ被害者が実名・顔出し告発》小学校教師は否認も、クラスメートが重要証言「明らかな嘘です」
第2回・前編 中学担任教師からの性暴力 被害者実名・顔出し告発《職員室で涙の訴えも全員無視》
第2回・後編 《実名告発第2弾》中学担任教師から性暴力、34年後の勝訴とその後「ジャニー氏報道に自分を重ねる」
第3回・前編 《実名告発》ジャニー喜多川氏から受けた継続的な性暴力「同世代のJr.は“通過儀礼”と…」
第3回・後編 《抑うつ、性依存、自殺願望も》ジャニー喜多川氏による性暴力 トラウマの現実を元Jr.が実名告発
第4回・前編 「なぜ今さら言い出すのか」性被害を訴えた元ジャニーズJr.二本樹顕理さん 誹謗中傷に答える
第4回・後編 「ジャニーさんが合鍵を?」元Jr.二本樹顕理さんを襲った卑劣な“フェイクニュース”
第5回・前編 「性暴力がなければ障害者にならなかった」41歳男性が告発 小学3年の夏休みに近所の公衆トイレで…
第5回・後編 《母は髪がどんどん抜け、妹からは「キモい」と…》性被害後の家族の“拒否反応”の真実 41歳男性が告白
第6回・前編 目の前で弟に性虐待を行う父親 「ほら見ろよ」横で母親は笑っていた《姉が覚悟の実名告発》
第6回・後編 「絶対に外で言うなよ」父親の日常的暴力と性虐待の末に29歳で弟は自殺した《姉が実名告発》
第7回・前編 NHK朝ドラ主演女優・藤田三保子氏が“性虐待の元凶”を実名告発「よく死ななかったと思うほどの地獄」
第7回・後編 「昔、兄にいたずらされたことが」塚原たえさんの叔母、藤田三保子氏が“虐待の連鎖”を実名告発

 

男児の性被害について情報をお寄せください。
秋山千佳サイト http://akiyamachika.com/contact/

「兄を刑務所に入れて」NHK朝ドラ主演女優・藤田三保子が告発 子どもを性虐待

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