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“史上最低サメ映画”の続編が作られる原因は日本人のせい? 2024年知っておくべき「サメ映画の重大トピック3選」

ゆくサメくるサメ2023 #2

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 2023年はまさにサメ年だったが、皆さんは来年の干支をご存知だろうか。辰年ではない。またしてもサメ年である。

2024年も「サメ年」 ©getty

 前編の「ゆくサメ編」では2023年のサメ映画シーンを振り返りながら、その魅力について説明したが、今回の「くるサメ編」では、2024年の「注目のサメ映画トピック」を3つ紹介していきたい。

注目トピックその1「まさかの続編/リブート」

 サメ映画とは、そもそも“続編”である。というのも、あらゆるサメ映画が何らかの意味で『ジョーズ』(スティーブン・スピルバーグ)のフォロワーであり、その要素を含んでいるからである。

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 さらに言えば、『ジョーズ’96 虐殺篇』のように『ジョーズ』の続編を勝手に装って制作された作品もあるし、『シン・ジョーズ』のように邦題(原題は『アトミック・シャーク』)で暴れまわることもある。

 これはサメ映画が得てして大作映画(ブロックバスター映画)に“偶然”似てしまった「モックバスター映画」的な側面を持っているからである。その結果としてサメ映画は単発作品として制作されることが多く、シリーズ化はかなり例外である。

 しかし、近年になってその状況が変化しつつある。かつて『デビルシャーク』として日本語化され、現在は『エクソシスト・シャーク』として再上陸を果たしたとんでもないサメ映画がある。悪魔が憑依したサメが人々を襲うという酷くシンプルなストーリーだが、およそ映画として必要な最低限のものが欠けている(特に視聴者への誠意が欠落している)問題作である。

(画像:Amazon DVD販売ページより)

 作品レビューも掲載される映画データベースのIMDbのレビュースコアは驚異の1.3(10点満点)。仮に最低サメ映画ランキングを作るならワースト1位を争うレベルの作品だが、なんとその続編が制作されてしまった。しかも日本人の支援によって。

 本作のクラウドファンディングでは制作国であるアメリカを押しのけて、日本から多数の支援が集まってしまった。こうして生まれた『シャーク・エクソシスト2』(邦題は未定)は、既に2023年末に都内でワールド・プレミアとして上映され、2024年には拡大上映や配信が決定している。

 アメリカの制作会社アサイラムのCEOが発した「サメ映画が作られるのは日本人のせい」という有名な言葉があるが、本来は日本に向けたリップサービスだったはずだ。しかし今やそれが現実となりつつあるのである。