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髙木氏から「ちょっと名前借りました」

 事態を確かめるべく、所在地である小平市の住所に向かった。辿り着いたのは住宅街の一角に佇む一軒家。表札には会計責任者K氏の苗字が記されている。そのK氏に尋ねると、

「(政治団体のことは)よくわかりません。(髙木氏は大学の)後輩でツーカーの仲だった。5年ほど前に突然、書類が届いたので『髙木、お前、何だこれ』と言ったら『ちょっと名前借りました』と」

 名義を貸しただけと主張するK氏。だが、収支報告書の最終頁の「宣誓書」には、会計責任者としてK氏の署名と押印が確認できる。そのことを問うと、

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「ハンコは渡していないけど、向こうで(勝手にK姓のハンコを)押したんでしょう。毎年この時期に書類が届くんですけど、いつも封を開かず事務所に送っちゃう。髙木と電話でやりとりすると、共謀みたいになるから、(会計処理は)あえて何も聞いていない」

代表者も「この会は活動してんの?」

 同会が代表として届け出ている都内在住のY氏も、

「死んだ女房が髙木といとこ同士で。髙木が議員になった頃、地元が(福井県の)敦賀だから、東京に知り合いがいなくて『住所を貸してくれ』と。でも、何か連絡が来ることはない。この会は活動してんの?」

 つまり、代表者も会計責任者も“偽者”なのだ。元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏が解説する。

「会計責任者が知らない間に勝手にハンコ押していたのであれば、刑法の『有印私文書偽造』の疑念を持たれても仕方がない。同罪に問われた場合、3カ月以上、5年以下の懲役が科されます。会計責任者が内容も把握せずに毎年書類を提出していたとすれば、議員の政治的、道義的な責任も問われるでしょう」

 髙木氏に事実関係を尋ねたが、回答はなかった。

 12月26日(火)12時に配信される「週刊文春 電子版」ならびに27日(水)に発売される「週刊文春」では、髙木氏の“闇団体”をめぐる裏金疑惑や、検察が狙いを定める安倍派幹部の実名とその理由、安倍派現役幹部の肉声、今も派閥を牛耳る森喜朗氏の贅沢な暮らしぶり、西村康稔前経産相が再び開催していた架空パーティなどについて詳報している。

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