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『あすなろ白書』と『ロンバケ』の共通点

 ただ、木村の代表作のなかで実はもうひとつ、近しいキャラクターを演じていた作品があるのです。それは1996年に山口智子とダブル主演した恋愛ドラマの金字塔『ロングバケーション』(フジテレビ系)。

『ロングバケーション』で木村が演じたのは、自分の才能に自信が持てない冴えないピアニストで、片想いしていた後輩女子大生(松たか子)に振り向いてもらえず、他の男(竹野内豊)にまんまと奪われてしまう役どころ。

『ロングバケーション』(FODより)

 好きな女性に健気に想いを寄せるものの報われない、情けないキャラクターという点では、『あすなろ白書』と『ロングバケーション』は通ずるものがあります。

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『あすなろ白書』がブレイクした出世作だとしたら、『ロングバケーション』は主演俳優として人気を確たるものにした代表作。こうして考えると、“俳優キムタク”のメインストリームとは異なりますが、ターニングポイントになる作品では情けないキャラクターを演じていたことがわかるでしょう。

『あすなろ白書』からちょうど30年。キムタクのこれまでの俳優キャリアを思い出しながら今『あすなろ白書』を観返せば、新鮮に感じられそうです。

©getty