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「金正恩暗殺工作」に色めき立った北朝鮮…謎に包まれた「犯人の正体」は

2024/01/02
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都氏の告発

 都希侖氏は23年12月21日、文在寅政権当時の任鍾晳(イム・ジョンソク)大統領秘書室長や徐薫(ソ・フン)国情院長らをソウル地方検察庁に告発した。2018年12月20日に起きた、韓国海軍艦艇「広開土王」による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射事件を巡り、現場にいた北朝鮮漁船に乗っていた北朝鮮住民の北朝鮮送還に問題があるという理由だった。

都氏が提出した告発状

 韓国は当時、簡単な調査を行った後、22日に漁船に乗っていた3人の北朝鮮人と1人の遺体を北朝鮮に引き渡した。都氏は「3人が本当に北朝鮮に戻る意思を示したのか、きちんとした手続きを踏んだのか、疑わしい」と語る。

 都氏も金基三弁護士も、漁船で亡くなった1人を含む4人は、金正恩暗殺工作に関わった残党ではないかという疑いを持っている。金弁護士は「北朝鮮側が4人の行方を血眼で追っていた。青瓦台(大統領府)に追跡と引き渡しを依頼したのではないか。広開土王艦長も必死になっていたため、近づいてきた哨戒機にレーダーを照射した可能性がある」と語る。

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 レーダー照射事件から5年が経つが、事件の真相も、北朝鮮に消えたチェの消息も未だわかっていない。

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