「毎日お餅でも飽きない」――小さい頃から、お餅が好きすぎてついには餅オンリーの異色のレシピ本『お餅の便利帖』(東京書籍)まで出版されたのが、料理家の飛田和緒さんです。
そんな飛田さんに、お家にお餅があふれる今だからこそ知っておきたい「美味しい食べ方」を教えてもらいました。
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――飛田さんがお餅を好きになったきっかけは?
飛田 和緒(以下、飛田) 小さい頃、いつも祖母が火鉢でお餅を焼いてくれたんです。お醤油をつけて、海苔を巻いて食べるだけなんですが、それがもうすんごく美味しくて。
当時は、スーパーで売っているような切り餅パックなんてない時代です。近所の和菓子屋さんで、いつもつきたてのお餅を買っていました。
――好きな食べ方はありますか?
飛田 一番はお雑煮のような汁の中に入っているお餅。トロトロのお餅も汁も好きだから、その両方さえあれば、他に具は何もいらない。
まるでつきたての味「蒸し餅」
――初めて出された餅オンリーのレシピ本『お餅の便利帖』を作る上で、特に印象的だった「美味しいお餅」はなんですか?
飛田 本を作る中で、初めて挑戦した「蒸し餅」には驚きました。カメラマンさんの勧めでやってみたら、まるでつきたてのお餅のように美味しい。
蒸すのと似た方法にレンチンがあるけど、私は一度もうまくいったことがない。いつもお皿にへばりついてしまうんですよね。
――たしかにレンチンで、お餅がうまく温められるイメージはありません。