ケリーの犯罪経緯をまとめた動画をYouTubeにアップした結果
そこで私たちは、ケリーの刑が確定した日、彼の犯罪の経緯をまとめた動画を作成し、YouTubeにアップした。
多くの人が私たちとともに怒ってくれて、世論は沸騰した。その結果、検察は追加捜査を通じて児童性的搾取物の配布、相手女性の同意なく性行為の場面を撮影した疑いなどを挙げ、ケリーを追加起訴した。追加の容疑に関する裁判は202年8月11日に開かれたが、彼は検察の証拠収集の手続きは違法だとして無罪を主張している。
韓国におけるデジタル性犯罪の処罰がいかに軽いものか、彼らはあまりによく知っていた。n番部屋はこのような呆れた判決を養分に成長を続けたのだ。
絶対に捕まらないと言っていたウォッチマン
2019年9月、「追跡団火花」の記事はニュース通信振興会で優秀賞を受賞した。
――テレグラムのn番部屋がついに世に知られるんだ。私たちを取材するために記者が押し寄せるだろう。そうすれば、より多くの人々が真相を知ることになる。でも、加害者が私たちを血眼になって探すかもしれない。どうしよう。
さまざまな思いに、不安になった。しかし世論は不思議なほど静かだった。最初に反応したのは他でもないウォッチマン(編注:チャットルームの管理人)だった。私たちの記事が出た日の翌日未明、ウォッチマンは「テレの記事が出た」というコメントとともにキャプチャー画像をアップした。私たちが書いた記事の一部だった。心臓がドキドキと鳴った。その記事には私たちの実名が出ていたからだ。
あれほど邪悪な行為をしても世間が静かなのを見て、犯罪者たちはさらに勢いづいた。警察の捜査に協力しているときも、本職の記者でない自分たちにこれ以上やれることはないだろうと思ったが、被害者がさらに増えていくような事態だけは防がねばならない。証拠集めは私たちにできる唯一のことだった。
加害者を特定できそうな会話は見つけ次第キャプチャーし、直ちに警察に送った。捜査人員は全然足りないのに、加害者の数は急増するばかりだった。