村上謙三久さん

「60年代から70年代の深夜ラジオ全盛期を振り返る本は多いのですが、僕は同世代の40歳前後をターゲットにしたいと思いました」

 ラジオ好きじゃなくとも構成作家という職業には聞き覚えがあるだろう。どんな仕事なのか、どうしたらなれるのか? 村上さんは「ウンナンのANN」、「コサキン」、「オードリーのANN」など人気ラジオ番組を担当する作家10人に話を聞き、90年代から今を中心に深夜ラジオの魅力に迫った。

 本の肝とも言える証言者の藤井青銅氏は、理想のパーソナリティとして意外な名前を挙げている。松田聖子だ。

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「今も月1でオールナイトニッポンを担当している松田聖子さんはデビュー当時、ラジオでトーク技術を学びました。その流れは現在のアイドルにも受け継がれています」

 例えばクイズで四択の中から答えを選ぶとき、なぜその結論に至ったのか思考の動きを言葉にする。そういったスキルが、テレビ出演時にも高評価につながった。

「僕が今、ラジオの進化系として注目しているのは、声優です。声優の番組は90年代から増え、現在ではネットラジオを含め年間400近くの番組があるんですよ」

深夜のラジオっ子 (単行本)

村上 謙三久(著)

筑摩書房
2018年3月16日 発売

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