シンママはステップファミリーの予備軍
――社会との関わりが増えていくなかで、ご自身の家庭はどんな状況だったんでしょうか。
新川 幸い、子供はすくすくと育ってくれました。私自身も、チャットで知り合った男性とお付き合いするようになっていました。ただ、彼7歳も年下。すぐには結婚できる状態じゃなかったので、事実婚の状態でした。彼との付き合いは2004年くらいまで。
――別れに至った理由はなんだったんですか?
新川 いつからか、彼の私の娘に対する当たりが必要以上に強いことが気になりはじめました。ケンカをすれば「君の子をかわいいとは思えない」「僕の家族は猫しかいない」なんて、モラルを欠いたことを言うようになってたんです。改めて思ったのは、シングルマザーはステップファミリーの予備軍なんですよね。シングルマザーの問題にばかり取り組んでいて、ステップファミリーは自分の問題なんだと考えていなかったのでハッとしました。
――「ステップファミリー」というのは少し聞きなれない言葉です。
新川 子連れの再婚家庭です。継母とかの“継”を英語でステップというんです。血縁関係のない親子や兄弟姉妹を含む家庭ですね。日本ではあまり浸透していない言葉ですが、離婚や再婚が多い欧米では市民権を得ている言葉です。
――いまどき日本でも想定されて当然の家族像ですね。
新川 かくいう私も2007年、43歳で3度目の結婚をしました。今度のお相手は、私と同じバツ2のシングルファザーで、実子と連れ子を抱えていました。
――適切じゃないかも知れませんが、複雑、ですね。
新川 これまで子供は自分が産んだ子供しか知らなかった。この結婚で初めて血縁関係の無い子供と一つ屋根の下で暮らすようになったんです。血の繋がらない子供の親になるってこんなに大変なんだ、と遅まきながら思い知らされることになりました。