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「ここは最悪だ、早く娘のもとに帰りたい」3度の離婚を経験した家族問題カウンセラー(59)がハマった「国際ロマンス詐欺」の甘い罠

「ここは最悪だ、早く娘のもとに帰りたい」3度の離婚を経験した家族問題カウンセラー(59)がハマった「国際ロマンス詐欺」の甘い罠

家族問題カウンセラー新川てるえさんインタビュー#3

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : ニュース, 社会, 芸能, ライフスタイル

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 アイドルグループの一員でありながら、できちゃった婚で芸能界を引退。計3度の結婚と離婚に1度の事実婚。実子と連れ子を抱えたバツ2のシングルファザーとの結婚では、ステップファミリー(血縁関係の無い親子や兄弟姉妹のいる家族)と呼ばれる複雑な家族形態の難しさを知る。

 自らの経験を活かして、シングルマザーの支援、ステップファミリーが抱える問題のカウンセリング活動に取り組んできた新川てるえさん(59)。昨年6月16日にはロングセラーとなっている『子連れ離婚を考えた時に読む本』のコミック版を出版した。

 これまで3度の離婚を経てきた新川さんはそもそも情熱的な人間だ。恋多き女性と言ってもいい。そんな彼女が次にぶつかったのは4度目の結婚……ではなかった。(全4回の第3回)

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新川てるえさん

◆◆◆

恋愛というより「かわいそうな親子を助けたい」という使命感

新川 まさか自分が「国際ロマンス詐欺」というものに遭うとは思ってもみませんでした。相手は恋愛感情につけ込もうとしていたようですが、私としては恋愛というよりも「かわいそうな親子を助けたい」という使命感で相手にお金を送ってしまったんです。だまされたことに気付いたときには後の祭り。「あれは誰だったんだ」という虚脱状態の中で、ものすごい恐怖を感じました。

――どんな手口だったんでしょうか?

新川 私を騙した「アレン」とは2015年11月、フェイスブックで出会いました。向こうからメッセージが来たんです。アレンのプロフィール写真は5歳の可愛いお嬢さんと一緒のものでした。白人のイケメンです。アメリカ陸軍に所属する44歳でアフガニスタン勤務。アフガニスタンの紛争は、当時日本でもよく報道されていましたよね。アレンは妻を早くに亡くしたので、娘さんはアメリカ本土にある軍の宿舎でベビーシッターと暮らしているとのことでした。メールの交換は1日1通、もっぱら互いの日常が話題でした。彼は戦場にいるという設定なので、時折「ここは最悪だ、早く娘のもとに帰りたい」という内容のメールがくるんです。当時はすごく同情していました。

新川さんの元に送られてきた「アレン」とその娘の写真

――「アレン」とはメッセージだけの関係で親密になっていったのでしょうか?

新川 彼からは「ハニー」と呼ばれることがありましたが、当時の私には愛している恋人が他にいることをちゃんと伝えたんです。そうしたら「君を煩わせたくないから、いつまでも良い友達でいよう」というメールが来たんです。アレンはとても誠実でした。日々のメールの中で、私が恋愛の相談をすることもあり「僕はいつでも君の味方だよ」と励ましてくれたんです。

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