「アンタの飯炊きばばあじゃない」という考えが…
――具体的にどんなご苦労がありましたか。
新川 私の築いてきた家庭と、相手の父子家庭のギャップというかズレというか、生活習慣からものの考え方からなにもかもが違いました。私から見れば、夫の家庭はいろいろな場面でだらしなく映ってしまったのね。上の子は前のパートナーの連れ子で下の子が実子でしたが、下の子はまだ2歳なのに朝ご飯を食べさせないとか、夜は風呂に入らないとか……。
――子供たちにも大きな影響がありそうです。
新川 上の子はちょうど思春期。荒れる年頃で、非行にも走ってました。家出したり父親とケンカして警察沙汰になったり。私もその子の親になったわけですから、責任をとらないといけない。でも正直、自分のお腹を痛めた子とは違いますよ。「アンタの飯炊きばばあじゃない」という考えがすぐにうかんでしまいます。理性で「この子を自分の子供として慈しまなきゃ」とは分かっていても、生理的に受け付けないんです。同じ箸をどうしても共有できないとか、単純ですけど深い溝ってあるものなんです。
離婚の翌年NPO法人「M-STEP」の副理事長に就任
――ご夫婦関係はいかがだったんですか。
新川 結局、2013年9月にステップファミリーを解消しています。原因は相手の浮気。しかも子供のPTA活動の中での浮気でしたよ。自分がステップファミリーを経験したというのはとても大きかったです。離婚の翌年の2014年にM-STEPというNPO法人を設立しました。
――NPO法人でステップファミリーを支援されていると思うのですが、具体的にはなにをなさっているんでしょうか。
新川 ケースバイケースなので、どの家族にも通用する万能の処方箋というものはないんです。家族ごとに抱える問題は本当に複雑で千差万別。連れ子との関係はもちろんそうですけど、配偶者と死別したらお墓の問題があったり、離婚だったら子供との面会の問題も共有することになりますよね。実親は配偶者と子供の板挟みにもなりますし、いわゆる一般家庭と比べると本当にたくさんの問題を抱えてしまいがちなんです。母子共和国の教訓も活かして、オープンチャットで悩みを共有したり、アドバイスしあったり、グループワークもよく行っていますよ。