――まず、Mr.シャチホコさんのことを受け止めるんですね。
みはる それは、愛があるからじゃないですか(笑)。シャチホコにもよく、「みーちゃんが大人だからケンカにもならないし、安心できる家庭があるからモノマネに集中できる」と言われます。
大人だとは思わないけど、お互いイラッとしても、気がついたら「お腹すいたね」となって一緒にご飯を食べているような感じです。
男女問わず、芸人に対して裸を強制するのは…
――話は戻りますが、デビュー当時は“女芸人”ならではのご苦労もあったんですね。
みはる 今はだいぶプクプクしてますけど、昔は倖田來未さんみたいな、平成のガールズポップをしっかり聞かせる、笑いの少ない歌まねを中心にしてたので、スタイルとかメイクにも気を遣ってたんですね。
でも、そういう風にやっていると、「すっぴんでやれ」とか、「女を捨ててはじめて芸人だろ」みたいに言われて。自分の性を捨てろって、なんか変だなと思っていました。
――「女らしい振る舞いでは笑いがとれない」というダメ出しがあったと。
みはる 上沼恵美子さんはじめ、女漫才師として活躍されている方もいっぱい居るのに、そこまですべて否定するの? と思いました。「女芸人は舞台で裸になれないからダメ」とか、昔はそういうことを言う人もいっぱいいましたね。
――女芸人同士で悩みを分かち合うこともありましたか。
みはる 虻ちゃん(虻川美穂子さん)とか大久保さん(大久保佳代子さん)と話したことがあります。大久保さんは当時、「みはるさんはものまねという武器がちゃんとあるのに、脱ぐ必要なんてなにもない」と言ってくれました。
もちろん、森三中の大島美幸ちゃんみたいに、笑えるお尻なら出したっていいと思うんです。でも、男女問わず、芸人に対して等しく裸を強制するのは違うんじゃないかと。
仕事と家庭、二択ならシャチホコを支える側を選びたい
――改めて、結婚したことでみはるさんのお仕事に対する思いに変化があればお聞かせください。
みはる 家事は99%私がやっていますけど、負担になってるとは感じてなくて。更年期真っ只中でもあるので、やりたくない時は一切しませんし、シャチホコも何も言いません。
中途半端な気持ちで仕事をしているわけではないですが、二択でどちらかを選択しなくちゃいけないとなったら、私はシャチホコを支える側を選びたいなって。今はそんな風に思ってるんです。
写真=深野未季/文藝春秋
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