(4)肌着の名門「グンゼ」
普段のスーツの撮影で、メインで使っているインナーが「グンゼ」の「シーク 強撚カットオフ UネックTシャツ」(3850円)。深いUネックのおかげで、シャツのボタンを開けた際も見えにくく、さらに袖も短めなのでポロシャツなんかの下に着てもいい。5000円以下で買えるコスパの高さも、スタイリストの使用率が高いゆえん。
ボディは強めに撚りをかけた特殊糸で編まれたコットン混の素材。切りっぱなしなので、肌当たりがよく、かつシャリッとしたドライタッチがモデルさんたちにも評判です。また、消臭加工に加え、脇パッド付きで汗ジミができにくい。真夏の撮影時にも助けられています。
高級インナーの醍醐味
――探してみれば、こんなに個性的なインナーがあるんですね。ただ、1000円台で買えるお手頃なインナーもあるのに、その何倍もするものが売れているのは不思議な気も。川田さんはその理由をどう考えますか?
川田 単純に「気持ちいいから」だと思います。インナーはいわば“第2の皮膚”。スーツやシャツよりも肌に密着するものですから、そのものの価値をダイレクトに感じることができるんです。また、無地なので飽きを感じにくい上、質の高いものは作りがしっかりしていて長く使えるので、意外とコスパも高いんです。
実際、撮影現場で俳優やモデルに上質なインナーを着てもらうと、着心地のよさに感激して、「これどこの!? どこで買えるか教えて!」というケースもしばしば。インナーの着心地がいいと、気持ちが豊かになって、演者さんの表情にも影響する気がします。私も仕事柄、色々なメンズの高級インナーの着心地をチェックしていますが、一度着ると手放せなくなってしまいます。
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かわだ・まりこ/スタイリスト。得意分野はスーツで、20年以上にわたってさまざまな専門誌やブランドのカタログ、広告などを手がけてきたベテラン。着物にも深い造詣を持ち、装道礼法きもの学院 きものコンサルタント1級を持つ。趣味は歌舞伎鑑賞。香川県出身。