「変なことすればウケると思ってるやつは大嫌いです!」
――M-1の最終決戦で、さや香さんが「見せ算」で勝負したというのもそういうことなのかもしれない。
出井 かっこよかった。
楢原 一方で偽物もいる。「変なことやったら面白いって思ってくれるんだろう」っていうのが透けると、僕はめっちゃ冷めます。
出井 下心系もいるので。
楢原 変なことやったらウケるみたいなのあるじゃなでいですか。つまんねーって。こいつうわべだけで生きてるなって。
出井 自称地下芸人で「俺らの面白さ、お客さんに伝わらないよ」みたいな感じの振る舞いのやつもいるんですけど。いやいやお前らスベってるだけだよね、みたいな(笑)。そこの線引きは明確に、芸人の中ではあるので。
楢原 変なことすればウケると思ってるやつはもう嫌い! 僕、大嫌いです!
――強い(笑)。
出井 ハインリッヒさんは本当に自分らが面白いと思ってることのみを、かなり純度の高いまんまネタにしてる。なるべく薄めず。ランジャタイもそう。国ちゃん(国崎和也)はお笑いの能力自体は全部めちゃくちゃ高いんですけど。漫才となるとね、ああなるっていうのがすごく面白い。
楢原 国崎さんは掛け合いが全くできない人なので。トークの能力高いんですけど、流れで面白いことを言うのがめちゃめちゃ苦手。エピソードトークの完成度高いけど、じゃあこの二人でダラダラ喋って面白い話をしましょうってなったらできない(笑)。だから漫才やるにしても、相方が伊藤幸司じゃないとだめなんだろうな。国崎さんが表現したいことの邪魔をしないから。
――ハインリッヒさんにしてもランジャタイさんにしても、今ちゃんと売れているっていうのは、素晴らしいことですよね。
出井 だからこそ1個ショックなところはあって。M-1の決勝って面白ければみんないくもんだって何となく思ってたんですけど、Dr.ハインリッヒさんも囲碁将棋さんも、ああいかねえんだっていう。それは結構ショックでした。そのパターンもあるんだと。でもやっぱり面白いから、ちゃんと世に知られていってるじゃないですか。この世界M-1が全てじゃない。そこはいいとこだなと思いますけどね。
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