1ページ目から読む
3/4ページ目

ファンが離れずに支えてくれた

楢原 絶望というよりは「えー、こんなにいってだめなの?」っていう。それまでは実力が足りてないなって思いながら続けてて、でも一昨年に関しては本当に、ああ選ばれなかっただけなんだな、運で負けたなって。運でやめるのも馬鹿らしいなって、だからすぐ切り替えられたのかもしれない。

©深野未季/文藝春秋

出井 22年は本当に仲間に支えられた年だったので。それはありがたかったですね。

楢原 あとファンの人がすごい。ずっと一定数支えてくれる人がいたので、熱心に。それがでかいですよね。まあまあな人数、50、60人は絶対いたので。「やめないで」っていう人が。

ADVERTISEMENT

出井 くじけずに応援してくれてる。

楢原 負けないでって(笑)。

出井 ファンも体力いるだろうなと思うんだよね、僕らの場合。毎年いっては落ち、いっては落ちで。ファンもしんどい。

楢原 普通は離れるんですけど、離れずに支えてくれた人がわりと多い方だったので、周りの芸人に比べたら。だからそこは恩返しをしたいですね。

コロナで仕事がなくなって、互いに真剣に向き合った

――私はお二人のVlogがすごく好きなんですけど。

出井 ありがとうございます(笑)。

――自然体で普通に話したり、普通にお茶飲んだり一緒にご飯食べたり充電したりしてるのがいいです。

出井 企画思いつかないで撮ってるだけなので。

楢原 腰が重いおじさんだからね。

出井 (笑)。

©深野未季/文藝春秋

――お互いのことを嫌だなって思ったりはしないんですか。

出井 昔はありましたけどね。喧嘩もしょっちゅうしてましたし。でもコロナ以降から良くなった感じはしますね。

楢原 コロナで仕事がなくなって、考える時間が多くなった。自分ってどういう人間なんだろうと自己分析したんですよ。ありがたい話、それまで結構ライブも呼んでいただいて、そういうことに時間を使わなかった。自分のこともコンビのことも考える時間がなかったんです。いろいろ考えるようになってから、関係がすごく良くなったと思います。今はたぶん一番仲がいい時期だと思う。

出井 長くやればやるほど、あんまり相方と真剣に向き合わなくなるというか、ビジネスパートナーであることが多くなるんですけど。ほんとに仕事もライブも全くなくなったので、やることがなくて。ただただ昔の話をお互い聞いたり喋ったり。ずっと不満に思ってたことを、あれは何なの?って聞いてみたり。真剣にお互い向き合う時間ができたんですよね。それはめちゃくちゃ良かったです。

 恥ずかしいけど、もうにっちもさっちもいかないから、やるしかねえっていうことで。そこでお互いの考えを共有できた。考えが合わないことももちろんあるけど、それはお互いが尊重し合ってやっていこうみたいな。すごく真っ当なことですけど(笑)。