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「トップ下久保、左に南野、右に伊東のシステムで何がしたいのか」森保監督の“ナゾ采配”に城彰二が呈した苦言《アジアカップ》

AFCアジアカップ2023・城彰二の視点 #2

2024/01/21
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――GKとサイドバックは、どうでしょうか。

 彩艶は、経験が少ないので本来なら今回、多くの試合経験を積んでほしいのですが、ベトナム戦につづいて今は流れが良くないので1回、替えてもいいと思いますね。

 サイドバックもパフォーマンスが低調の菅原は一度外して、今回良かった旗手(怜央)を起用してもいいと思います。菅原よりは、いろんなことができそうな感じがしますし、ボランチでの起用でも面白いと思います。

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ドイツやトルコに勝てる日本がアジアカップで苦戦するワケ

――親善試合とはいえ、ドイツやトルコには勝てるのに、なぜアジアカップで苦戦が続いているのでしょうか。

 日本の良さは、堅い守備。欧州の強豪とやる時は、相手にボールを支配されるので、こっちからプレスを掛けていかないとボールを奪えないし、一瞬でも気を許すとやられてしまう。だから前から積極的に行ってボールを奪うとか、守備の意識が高いと思うんですよ。

 でも、相手が自分たちよりも格下になると、守備の意識が薄れてしまう。アジアでは、日本が強いので、ベトナムやイラクが欧州の強豪と戦う日本みたいにチャレンジして来る。受けて立つ日本は、うまくいかないことが増え、ミスも多い。どんな試合も全部うまくいくことはないですが、今回のようにレベルの低いサッカーをしてしまうと、日本って本当に強くなったのかな、と思ってしまいます。

強豪ドイツに勝ったときの日本代表 ©JMPA

――今回のアジアカップを見ていると、アジアの国々が日本を恐れていない感じがしました。

 日本が強いのは、ベトナムもイラクも認めていると思うんです。だけど、どこの国も日本と戦う時は必死ですし、すごく研究してきている。実際、独自の戦略を持って日本に対してチャレンジしようとしているし、だからこそ相手のビッグプレーやスーパーシュートが決まったりする。

 日本が受け身になるのはしょうがないにしても、ズルズルとやられていいわけがない。試合後、いろんなことを議論すると思うけど、次のインドネシア戦で、何をどう変えていくのか、ですね。

――選手に、イラク戦の敗戦の動揺はないでしょうか。

 イラクは、本来なら負ける相手ではないですし、上を目指している中で格下に負けてしまったので、ガッカリしている選手も多いと思います。でも、イラクは最後、足がつるぐらい頑張っていたし、絶対に日本に勝ちたいという勝利への執着心をプレーで表現していた。

 でも本来なら、イラクのそういう勢いやプレスを搔い潜って打ち勝たないと、W杯では勝てないですよ。日本は、イラク戦で悪いところが全部出たので、インドネシア戦は相手に合わせるのではなく、気持ちを切り替えて自分たちのサッカーをしてほしいですね。

取材・文=佐藤俊

「トップ下久保、左に南野、右に伊東のシステムで何がしたいのか」森保監督の“ナゾ采配”に城彰二が呈した苦言《アジアカップ》

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