北米のRPGと日本のRPGの違い
そもそも、RPG(ロールプレイングゲーム)というと何を思い浮かべるだろうか。いまはさまざまなRPGが存在しているが、おそらく、40代以上の人は『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』を思い浮かべるのではないだろうか。
やはり、日本において最初に大きな流行を作り出したRPGは『ドラゴンクエスト』であろう。この作品は『ウィザードリィ』や『ウルティマ』といった海外のビデオゲームから影響を受けている。
さらにそれらの作品の元をたどると、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』というテーブルトークRPGにたどり着く。テーブルトークRPGとは、紙やペン、そしてミニチュアのフィギュアなどを用意し、仲間と机を囲んで遊ぶ卓上ゲームだ。これが原初のRPGだと考えられている。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は1974年に北米で発売され、徐々に支持を得て人気が膨れ上がった。「悪魔崇拝のゲーム」とメディアバッシングを受けたこともあるが、新しくて魅力的なものが否定されるのはいつの時代も変わらないことだ。現代でも人気のコンテンツのようで、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』にも登場したし、本作を題材にした映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』も2023年に公開された。
そして、その『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第5版をベースに、コンピューターで遊べるRPGにしたのが『バルダーズ・ゲート3』である。つまり、一口にRPGといってもテーブルトークRPGから派生する作品なのだ。
北米では『ダンジョンズ&ドラゴンズ』があって、そこから『ウィザードリィ』や『ウルティマ』といったビデオゲームが生まれた。日本では、そのビデオゲームから影響を受けた作品として『ドラゴンクエスト』が登場し作品を重ねるうちに大ブームになり、独自のRPG文化が花開いていったわけである(もちろん日本でも『ドラゴンクエスト』以前からPC向けのRPGがいろいろと出ていたわけだが、ここでは割愛する)。
日本では原初のRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を体験した人も北米に比べれば圧倒的に少ないだろうし、世間の受け入れ方も大きく異なる。日本国内では悪魔崇拝のゲームとすら思わない人のほうが多いだろう。