「日本のRPGがガラパゴス化している」わけでもない
さて、こう書くと「日本のRPGがガラパゴス化している」と捉える人もいるかもしれないが、そう単純な話でもないことは書いておくべきだろう。
2024年は日本から生まれたRPGの新作がたくさん登場する年であり、それが世界でも注目されている。
あの『FF7』リメイク第二弾となる『ファイナルファンタジーVII リバース』はもちろん、「ペルソナ」シリーズで知られるアトラスの『メタファー:リファンタジオ』も海外のファンが多い。人気シリーズの最新作となる『龍が如く8』も日本らしいRPGとして登場する。
また、独自のRPG文化によって生まれたものもいろいろとある。たとえば日本では、「RPGの勇者は傍若無人に振る舞っているが、それは本当に正しいのか?」という「アンチRPG」の問いかけをした『moon』という作品が1997年に発売された。
この作品はコアな人気を博したのだが、それは国内に限った話ではない。海外のRPG好きにも影響を与え、昨今のインディーゲームのなかでも特に評価が高い『UNDERTALE』という作品は、『moon』から大きなインスピレーションを得たRPGだ。
2023年にリリースされた『Sea of Stars』というゲームは90年代の日本のRPGをオマージュした作品で、カナダのデベロッパーが手掛けた作品だ。あるいは、日本のRPGがキャラクターの描写を重視しているゆえに、海外のRPGにも同じ傾向が出てきたと捉える人もいる。このように、日本のRPGもまた世界に大きな影響を与えているわけだ。
国が変われば文化も変わる。一口にRPGといえども、系統樹のようにさまざまな道を歩み、互いに影響を与えつつ変化しているのである。たとえるならば、「アメリカのハンバーガー」と「日本のてりやきバーガー」のような関係性かもしれない。