――では、トマさんは日本のアニメが好きだったから、日本に留学したのでしょうか?
れな それよりも、義祖父の影響が大きいと聞いています。夫が生まれる前に亡くなったそうですが、日本で仕事をしていたことがあって、日本のハガキや浴衣が夫の実家に残っていたらしくて。それを見て、日本の文化に興味を持つようになったそうです。
英語が苦手なのに、アラスカ出身の夫や“義家族”とコミュニケーションが取れる理由
――付き合い始めた当時、2人はどのようにコミュニケーションをとっていたのでしょうか。もともと日本に興味のあったトマさんが、留学当初から日本語を話せたとか?
れな 現在の彼は流暢に日本語を話せますが、当初はまったく喋れなかったですね。一方で私も、日常会話に毛が生えたレベルの英会話しかできなくて……。
なので、付き合い始めたばかりの頃は単語とボディランゲージでコミュニケーションをとっていました。今振り返ると、その状態でよく会話が成立していたなって思います(笑)。
ちなみに、私が彼の家族と話すときは、今も拙い英語とボディランゲージです。でも、そんな私を温かく受け入れてくれる。いろんな国籍や文化の人が集まるアメリカという土地柄、英語のレベルには寛容なのかもしれません。
国際結婚に対して、れなさんの祖父母が抱いた“複雑な気持ち”とは
――トマさんと付き合い始めてから、生活環境や文化のギャップを感じたことはありますか?
れな それがほとんどないんですよね。会話も不思議と成り立っていましたし。あえていえば、日本とアラスカの時差には戸惑いました。
私が大学を卒業して働き始めた頃に、彼が留学期間を終えて帰国したので、1年ほど、北海道とアラスカで遠距離恋愛をしていたんです。時差が18時間あるから、電話をするのも一苦労でした。
私が仕事を終えて夕方電話すると、アラスカは夜中だったりするので。それは彼に悪いから、私が朝仕事へ行く前に電話して、彼が大学の講義の合間を縫って会話する時間を作ったり。それでもほぼ毎日のように話をしていました。
――れなさんとトマさんが結婚を決めたとき、周りはどのような反応だったのでしょうか。
れな 第2次世界大戦を経験している私の祖父母は、複雑な気持ちだったようです。「よりによってアメリカの人と結婚するなんて」と手紙が送られてきたこともありました。でも夫と一緒に挨拶をしにいったら、「物腰が柔らかくて良い人じゃないの!」と安心してもらえました。