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「義父がクマを仕留め、自宅で死体を解体して…」アラスカ出身の夫と国際結婚した日本人妻が明かす、ワイルドすぎるアラスカの日常

『アラスカワイルドファミリー』著者・ざわじまれなさんインタビュー #1

2024/02/11
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元軍人の義父に言われた“ストレートな愛情表現”

――トマさんの家族はどうでしたか?

れな お義父さんが元軍人と聞いていたので、「怖い方なのかな」と緊張していましたが、会うたびに「My daughter!」と言ってくれるんです。他の家族も、最初からストレートに愛情を表現してくれたので、会ってすぐに打ち解けることができました。

――日本人のれなさんをすぐに受け入れてくれたんですね。

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れな そこは、日本とアラスカの文化の違いかもしれません。アラスカ内だと進学先や就職先が限られるため、進学や就職を機に州外や国外に出る人が多いのだそうです。そうすると、必然的に州外や国外で出会ったパートナーと結婚する人も多くなる。だから、国際結婚への抵抗がより少ないのだと思います。

©Zawajima Rena

――結婚してからは、ずっと日本に住んでいるんですよね。

れな はい。最初は東京で小さな1DKのアパートに住んでいたのですが、背が高くガタイの良い夫には窮屈そうで(笑)。家の広さと家賃のバランス、周辺の環境などを考えた結果、湘南に引っ越しました。釣りや山登りが好きな夫は、自然に近い場所が落ち着くようです。

アラスカではスーパーやコンビニまで車で1時間以上かかることも…

――先ほど、アラスカは日本の約4倍の面積がある、とおっしゃっていましたよね。日本とは自然も住居もスケールが違いそうです。

れな 私の地元の北海道も日本の中ではスケールが大きいほうだと思いますが、アラスカはその比じゃないですね。土地が広すぎるから、車がないと生活ができません。1人1台はマイカーを持っています。

――でも、日本でも1人1台持っているのが当たり前の地域もありますよね?

れな 日本だと、地方でも数十分ほど車を走らせれば、スーパーやコンビニに行けるところが多いじゃないですか。でもアラスカだと、車で1時間以上かかることがざらです。住宅も、森や林の中にポツンポツンと点在しているような感じ。車がないと本当に何もできないので、免許を持っている大人が同乗していれば運転できる「仮免許」なら、14歳から取れるんですよ。ちなみに16歳からは、1人で運転できます。

©Zawajima Rena

――免許を取れるようになるまでは、どうやって移動するのでしょうか。

れな 近所の友達の家なら、自転車を漕いで行っていたそうです。近所といっても、アラスカの場合は自転車で何十分もかかる場所なんですけど(笑)。あとは、放課後にはスクールバスでスキー場まで遊びに行っていたそうです。冬場は学校帰りに友達とスキー場に行って、親が迎えにくるまで遊ぶのが定番だったようですね。

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