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「住宅街にも普通にクマが出る」アラスカのワイルドすぎる実態

――子どもたちの遊び方も、スケールが大きくて楽しそうです。アラスカといえばクマ(グリズリー)が多いイメージですが、外に出るときはクマ対策をするのですか。

れな 外出するとき、「クマよけスプレー」は必須アイテムですね。住宅街にも普通にクマが出るので。

――れなさんはアラスカ滞在中にクマを見たことはありますか?

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れな 幸いスプレーを使うほど近くで遭遇したことはないのですが、アラスカ内を車で旅行しているときに道を歩いているクマを見たり、川釣りに行ったときに向こう岸でクマの姿を見かけたりしたことはあります。

 あとは、夫の実家で過ごしているときに、外の犬がやたらと吠えているなと思ったら、「クマが来ているからだよ」と教えてもらったこともありますね。

©Zawajima Rena

クマを猟銃で仕留めて、自宅で解体してしまう義父

――日本人はクマを神格化している部分もあると思うのですが、アラスカだとどんな存在なのでしょうか。

れな 夫は「最強の動物だ」と言っています。ただ、一般人でも当たり前のようにクマを狩猟したり、一番太っているクマを決めるコンテストが毎年開催されていたりと、神格化しているわけではないようです。

 お義父さんは、1人でキャンプをしているときにクマと遭遇し、持っていた猟銃で仕留めたことがあるそうです。それだけでなく、仕留めたクマをトラックに詰め込んで自宅に持ち帰り、解体して、クマ肉を冷凍保存したらしく。それから約3年間は、夫の家の食卓にクマ肉が並び続けたと聞いています。

――お義父さん、ワイルドですね……。

れな ですよね(笑)。あと、意外と多いのがムース(ヘラジカ)の被害です。特に発情期のムースは凶暴で、近くにいるだけで襲われる可能性があります。なのに夫は、家の近くで歩きスマホをしてしまい、ムースとぶつかったことがあるらしくて。

©Zawajima Rena

――怪我など大丈夫だったのでしょうか。

れな びっくりしたムースがそのまま逃げていったから、何事もなかったようです。でも一歩間違えていたらと思うと、ゾッとしますよね。体の大きさが普通の鹿の倍以上もあって、クマと対等に戦えるくらい力の強い生き物なので。

 アラスカでは、いつクマやムースと遭遇するかわかりません。そのときの行動を間違ったら、命に関わるかもしれない。だから学校では、クマやムースからの「逃げ方」を教えているのだそうです。ちなみに、ムースは目が真横についているので、森や林で遭遇したときは、正面の木に隠れて死角に入るのが良いそうですよ。