親の言うことは「聴いているふり」を
外界と接していれば、常に新鮮なニュースが投入されます。それに家族だからといって、すべての話題を共有し、盛り上がれるわけではありません。“推し”が一緒など、話題の土台があれば、家族の間でも盛り上がりやすいですが、そうでない場合の方が圧倒的に多いでしょう。
会話を拒否して部屋に引きこもる態度は、家族間であっても冷たすぎます。家庭内で盛り上がる会話の柱を、何かしら意識的に持ちましょう。
そのポイントだけきちんと会話をする、と自分で決めておけば、苦痛は軽減されるはずです。
親の言うことは「聴いているふり」が大事です。親が子どもを心配することを止める術はありません。煩わしいと思っても、上手に受け流しましょう。「ほどほどにしているから大丈夫」「わきまえてるよ」などと、粗雑にならない程度に受け答えしてやりとりすれば、親も親でふっと安心するものです。議論や無視は、関係性を悪化させます。
スマホを駆使して第三者の意見を投入し、意見の相違が自分たちの争いになるのを避ける手もあります。世間にはたいていのことに、プラスマイナス両方の意見がありますから、他者の見解を取り入れることで、一対一の対立は避けましょう。
親との共通の話題がないときは
老いた親と話をする際には、これからの話をする必要は必ずしもありません。
勤め先での話題は常に前向きでなければなりませんが、家族の会話は後ろ向き、遡り、いつも同じことを語り合う関係でよいのです。前も同じ話を聞いたよ、などと言わずに、何十回となく同じ話題をしましょう。昔話をふさいでしまうと、親世代は話すことが限られてしまいます。
似たような話の繰り返しでつまらないと言うのは、家族であっても相手に失礼です。もう新たに話すことなどあまりないのですから、似たような話の中で、何かしら新ネタを提供するしかありません。
私の実家は、常にテレビをつけていました。テレビが二台あり、両方つけていると、必ずそこに何かしら話題が生じます。お茶の間のテレビを中心にすることで、テレビ批評ができ、会話が続き、話題にことかきません。これがパソコンやスマホになると閉じた世界を作ってしまうので、話題がそれぞれになってしまいます。
共通の空間を作り、無理のない範囲で噂話や世間話をしましょう。