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昔の話は聞いておく価値がある
私の父はお酒が好きで、飲み始めると同じ話が堂々巡りになります。酔っ払い自身もまた、同じ話をすることに困っているのだと私は考え、私の質問によって話題を変えてあげていました。壊れたレコードから抜け出させる、切り替えてあげる。それでこそ、田舎の両親も喜ぶというもの、これも親孝行です。
親とは世代差がありますし、現在に共通の話題を見つけるのは難しいこともあります。その場合はずばり、昔の話をし続けましょう。幸い、昔話というのは少なくはありません。幼児の頃から小学校、思い出話に花を咲かせると、古い木にもそれなりに花が咲きます。
私自身もっとやっておけばよかったと思うのは、祖父母の話を聞くことです。祖母の兄弟には相撲取りがいたと聞いて驚いたのですが、こういった昔の話を覚えている人はほとんどいません。祖父母は明治生まれでしたから、彼らからそのまた祖父母の話を聞けば、江戸期に近づくことができます。まさにファミリーヒストリーです。遺伝子のつながりがあると盛り上がりやすいですし、昔の話は聞いておく価値のあるものです。
家族の間にこそ、感情を持ち込み過ぎない、おだやかなつきあいが必要なのです。