渋谷でナンパしてきた相手に「ごめんなさい」と謝られたワケ
――「東大女子はモテない」という方もいます。男性から警戒されていると感じたことはありますか。
八田 渋谷でナンパされた時、「どこ大?」と聞かれたので「東大」と答えたら、「ごめんなさい」と謝られたことがありました。「なんで謝られたの、私?」って(笑)。
それと関連があるかはわからないですが、東大生同士のカップルはめちゃくちゃ多かったですね。私自身もですが、周りの友だちもほとんど東大同士で付き合ってました。
――一方、タレント業では「現役東大生」という経歴が大きなフックになりました。
八田 世間の方々はこんなにも「東大」に思い入れがあるんだ、というのは驚きでもありました。
テレビに出していただく上で「東大」のメリットは多かったですが、私としては、東大出身というだけで、例えば英語もペラペラじゃないし、他にも全然万能でも何でもなくて、期待に添えずごめんなさい、という気持ちはありました。
――家では基本的にテレビ禁止だったというお話がありました。ほとんど知らなかったテレビの世界に入ってみて、どう思いましたか。
八田 ミス東大になってしばらくした後、今の事務所、セント・フォースに声をかけてもらってテレビに出られるようになったんですが、出演者の皆さんの多才さに驚きました。なんで皆さんこんなにお話がうまいんだろうといつも思いますし、番組の構成も視聴者を飽きさせないようすごく考えられていて。
東大を辞めたら自分に価値がなくなると思っていた
――テレビでのご活躍をお母さんはどのように見ていたのでしょうか。
八田 最初は学生のうちだけだと思っていたので喜んでいましたが、そのうち、「なんか比重がおかしくない?」みたいになっていました(笑)。
私は大学に入学してからずっと、自分が何をやりたいかわからないままだったんです。その中で、タレント業が楽しくなっていて、これを続けたいなと思うようになりました。
――タレント業が忙しくなったことで2回留年。その後は東京大学大学院に進学し、予防医学について学ばれました。途中、タレント業に専念することは考えなかったですか?
八田 東大を辞めたら自分に価値がなくなると思っていたので、大学を辞めるということは一切考えなかったですね。
院にも行きましたけど、もうちょっと勉強すればよかったな、とは思います。
――学問で何かを突き詰めたい、みたいな気持ちがあった?
八田 「大学でこれを身に着けた」と、胸を張って言えない自分がいました。成績も悪かったですし、ろくに勉強してこなかった罪悪感と言いますか、心残りがあって。なので、院に進むことで自分の糧になる知識を得られないかと思ったんです。