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支援チームのケア会議から2週間後に放火した

 翌2019年3月、青葉被告は自宅を訪れた訪問看護師に「持っているメリットがない」などとして、スマートフォンを解約したことを話している。インターネットからも距離を置いた青葉被告は、3月末からは自宅への訪問看護を無視。医療や支援の手を自ら絶ったのだった。

「青葉の支援にあたっていた支援チームは、青葉が他人に危害を加えることを警戒。7月4日のケア会議では、現状が続けば9月から生活保護費を振り込みではなく福祉事務所の窓口で手渡しする方法へと切り替え、本人と接触する機会を作る方針を確認していました」(前出・社会部記者)

 青葉被告が京アニ・第一スタジオに放火したのは、2019年7月18日の午前10時30分頃。ケア会議からわずか2週間後のことだ。最後の引き金は、「自分と結婚したいのに何度もたたき落とし、一人スターダムを駆け上がる女性監督を終わらせたい」(青葉が鑑定医に語った言葉)というものだったという。

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 1月25日の判決公判で京都地裁は、青葉被告の人格について「独善的で猜疑心が強く、攻撃的な性格傾向を有していた」と指摘。京アニへの放火は妄想の影響によるものではなく、「被告の攻撃的な性格傾向に基づく」と、厳しく断罪したのだった。