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ネット上の「切り取り」の怖さ

 それはさておき、ちいみたいに色々発信していると、真実じゃないことで炎上させられたり、誹謗中傷を受けたりしたりすることだって結構ある。

 多かれ少なかれ経験がある人もおるんかなって思うけど、この一連の炎上事件は、ほんとに「切り取り」ってこわいなって感じた出来事やった。

 思いもしなかった後づけのストーリーでいくらでも嘘が広がっていく怖さを感じたし、発信する側がいくら気をつけていても、どうにも防ぎようもないことってあるんやな、って思い知った。“火のない所に煙は立たない”っていうけど、“火のない所にでも煙は立つ”んやで‼

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琉ちゃろくん ©︎山元茂樹/文藝春秋

 あと、これもたまに思うんやけど、ああやって炎上させる人って一体なんなん? 

 よっぽどヒマなんかな。他に人生で楽しいこともないんかな、って。

 女子同士の会話あるある的なものと一緒で、なんだかわからんけどみんなでワイワイ悪口を言ったら盛り上がる、とかストレスを発散できる、っていうのもあるんかな。

 ちいはそういうのは好きじゃないな。

「自分の心にゆとりがないなあ」って感じることも

 限りある時間なら、やっぱり楽しくて、笑顔で過ごせることに時間を使いたい。

 でも、ひとつ想像できるのは、炎上させたり誹謗中傷をしてしまう人たちって、いろいろな意味で「ゆとりがない」っていうのはあるんだと思う。

 ちいも、そこの気持ちの不安定さはわからなくもない。

 こういうお仕事をしていると、毎月決まった額の収入があるわけじゃないから、経済状態の波もすごかったりするんよ。その収入の高低差の中で、「底」のところにあるときって、自分の心にゆとりがないなあ、って感じることもあるから。

©︎山元茂樹/文藝春秋

 普段なら広い心で「それは仕方ないよね」って思えるようなことに対してもイライラしちゃったり、些細なことにも疑心暗鬼になったり。

 そんな余裕のなさや満たされなさを感じると、人によっては、それを誰かの悪口で発散したり、炎上に悪ノリで参加したりしちゃうことにも繋がるんかな、って。

 だからちいは、わざわざ自分の大事な時間とエネルギーを使って誹謗中傷したりしてくる人を見かけると、勝手に「この人はいま、ゆとりがなくていろいろ満たされてない可哀想な人なんやな」って……、遠い目をして受け流すことにしてる(笑)。