東京駅の地下ホーム。まるで別世界へと誘われそうな通路を歩きに歩くこと約10分。やっとのことでたどり着き、京葉線に乗り込んだ。その電車は、快速・上総一ノ宮行き。京葉線は東京~蘇我間を結んでいる路線だが、蘇我駅から外房線に直通する列車も走っているのだ。
八丁堀駅を出発してしばらくすると地上に顔を出し、新木場、葛西臨海公園の観覧車、そして千葉県に入って夢の国。幕張メッセの海浜幕張駅も過ぎ、電車はひたすら東を目指す。東京駅から蘇我駅までは、だいたい40分ちょっと。
さらにそこから30分ほど電車に揺られ、車窓風景はもはや牧歌的。で、ようやく今回の目的地である茂原駅に着いた。東京駅から1時間30分弱。この数字をもって、遠くない、意外と近い、などとはお世辞にも言えない。
ちなみに、朝には東京行きの通勤快速があって、これなら所要時間は1時間10分ほど。目下巷間を賑わす「京葉線の快速・通勤快速廃止に千葉の人たちが怒ってる!」問題は、まさにこれだ。
京葉線の通勤快速が消えてしまうと、茂原の人たち(だけじゃないですが)は毎朝の通勤時間が20分くらい増えてしまう。朝の貴重な20分が奪われる、ということで、お怒りになる気持ちはよくわかる。
……と、この問題を掘り下げるとキリがないし、結局のところ全体最適と個別最適のどっちを優先するかという問題だと思うので、これくらいにしておこう。問題は、茂原駅には何があるのか、である。
JR外房線“ナゾの途中駅”「茂原」には何がある?
なんで今回茂原駅を訪れたのかは、正直たいした理由はない。京葉線が話題だし、茂原って聞いたことあるし、くらいなものだ。
だから、はっきり言って舐めておりました。千葉は千葉でもだいぶ外房側で、何なら勝浦とか安房鴨川も近い。そんなところにある小都市のターミナル。まあ、これといって何もない寂しい駅前なんでしょう……と。
ところが、である。そんな思い込みはまったく間違っていた。