──意外に協調性があるというか、何が何でも反対と言い張るわけじゃないんですね。
BossB はい。日本人は、こちらがワーッとすごいエネルギーでいくと引いてしまうので。それはよくない手法だというのは、私も痛いほどわかってます。
それに、自分が何を大切に生きるかは、人それぞれ違うじゃないですか。私には私の考え方があるように、彼らにも彼らの守りたいものがある。だから、私は自分に正直に生きていれば、別にいいかなと。
「女は若いほうがいい、という価値観は世界中にあります」
──BossBさんも日本文化を尊重しているということですね?
BossB はい。でも、私のBossは私自身なので、自分のルックスや、何をするか、何を大切に生きていくか……行動や信念はすべて、私が決めます。
だから、世間から見ると「ギャルのおばちゃん」の私が、実はアメリカで博士号を取り、国立大学で宇宙や物理、哲学の授業や研究をしている。それが日本の皆さんに新鮮に映るならば、いろんな固定概念や壁を崩すきっかけになるんじゃないかと思います。
──こんな生き方もあるよと。
BossB そう。あと、年齢のことも言いたい。私は今52歳ですが、「だから何?」と。
女は若いほうがいい、という価値観は大昔から、日本だけじゃなく世界中にあります。でもそんなの、本当にクソくらえですよ。私は、どれだけシワが増えてクシャクシャのタレタレになろうが、いつまでも発信してやろうと思ってます。
──女性で、天文物理研究者で、しかも50代というのは、日本ではごく少数でしょうね。そんなことは関係ない?
BossB はい。年齢や、誰にどう見られるかなんて一切関係ない。人に迷惑をかけなければ、誰もが自由に好きなことをやっていいんだよ、ってことです。
「愛情」は物理で説明できる?
──著書では「宇宙は無限、愛も無限」と書いていますね。愛というとフワッと捉えどころがなく、物理の世界とは真逆に思えますが、「愛情」は物理的に説明できるものですか?
BossB わかりません。愛情は、意識が解明できたら説明できるようになるのでしょうかね。意識の解明は、今の人間にはできないけれど、将来的には可能だと思います。
──では、今の物理学研究で、よりミクロな世界を発見できれば、意識の正体がわかる?