むろん、広瀬の持ち味はハイテンションなコメディー演技だけではない。タイムリープによる結婚のやり直しを描いたドラマ『知ってるワイフ』(21年)では、家事と育児のストレスを抱える妻、快活なキャリアウーマン、天真爛漫な女子高生など、同一人物の中にある複数の側面を見事に演じ分けている。複雑な構成を持つドラマの背骨を支えたのが彼女の演技だったと言っていい。
「趣味はエゴサーチ」「10分に1回する」
『R-1グランプリ』の司会を務めるなどバラエティ番組での活躍もめざましいが、特徴的なのはSNSとの向き合い方だろう。SNSを一切やらない俳優も多い中、積極的に活用している。コロナ禍のときは、妹の広瀬すずと二人でライブ配信を行って話題を呼んだ。
「趣味はエゴサーチ」「10分に1回エゴサーチする」と公言するほどエゴサーチを頻繁に行っており、「顔がゴリラ」「骨格がデカい」などの悪口を見つけたらソファにスマホを投げつけていたという(FLASH 19年12月15日)。
ラジオ番組では「広瀬アリス 美ゴリラ」というXのポストを見つけて爆笑し、「広瀬アリス ゴリラで呟いたら本人にアカウント見られるの?」というポストには「みてるよおおおおお」と直球のリプライをしている。
こんな女優はなかなかいない。ゴリラといえば、共演が多く「ブラザー」と呼ぶ遠藤憲一の前で、チンパンジーの物真似を披露することもあるらしい(スポニチアネックス 22年4月26日)。
静岡県のお祭りで“発見”された「ショートカットの日焼けした小学校6年生」
芸能界入りのきっかけは、小学6年生のとき、地元・静岡県清水のお祭りでのスカウト。日焼けで真っ黒の上、ショートカットだったため、男の子と勘違いされてスカウトされたという逸話が残っている。
上京後、「ミスセブンティーン」でグランプリに選ばれると売れっ子モデルに。多忙でほとんど地元・清水には帰ることができず、ようやく帰ったら学校の卒業式の日だったこともあった。学生時代の思い出は「協調性がなくて、全然ダメで、何にも残っていない」という(産経新聞 23年11月28日)。