納豆を食べるときの注意点
ここまで納豆の良さを挙げてきたが、気をつけたいのが醤油や添付のタレを納豆にかけること。醤油をかけすぎれば塩分過多になり、タレには糖分や塩分、果糖ブドウ糖液糖などの添加物が含まれる商品が大半だ。せっかく糖化を防止する成分が納豆に含まれ、美容健康に優れているのだから、そこで「糖分」「塩分」をタレによって追加するのはもったいない。タレではなく「良質な脂質」をかけよう。若返りビタミンといわれるビタミンEが納豆には豊富と記したが、脂溶性のため油と一緒に摂ることで吸収率が良くなるのだ。
例えば「亜麻仁油、エゴマ油を数滴垂らす、ツナを混ぜる」などを望月氏は提案する。
「私は納豆にキムチをトッピングします。納豆に由来する納豆菌と、キムチの乳酸菌のダブル効果で腸内環境に有益となります」
堀氏は「しらす」を混ぜ、その塩分でおいしくいただくことが多いという。
「しらす干しを調味料がわりに使うことが多く、納豆にもかけますね。そこに生の卵白を入れ、レンジで白身がかたまるまで数十秒チンするととてもおいしい。しらす干しにはカルシウムの吸収を促すビタミンDが含まれますから、骨づくりに役立ちます」
それでもタレをかけたい場合は…
どうしてもタレをかけたい時には、納豆をよくかき混ぜてからに。
「混ぜる前にタレや醤油を入れてしまうと粘りが弱くなるので、納豆に含まれるアミノ酸のうま味を感じにくくなるかもしれません。反対にタレを入れずにかき混ぜると、ネバネバふっくらして体積が広がり、舌とうまみ成分がふれあう部分が増え、おいしく感じやすくなります」(望月氏)
市販の納豆は1パックあたり6g程度のタレがついているが、そのすべてをかけるのではなく、よく混ぜた上で“半量だけかける”意識をもちたい。できれば前述したようなトッピングのみでタレは限りなくゼロにできるといい。
加熱する際も要注意
また血液サラサラのナットウキナーゼは、納豆中では40~50度くらいで安定しやすく、70度以上で加熱すると成分が失活してしまう。
「ですから納豆チャーハンや納豆スパゲッテイなどの料理に使う際、火にかけた状態で納豆を入れてしまうとナットウキナーゼの良さが引き出せないので注意してください。また、普通にごはんにかける時にも、冷蔵庫から出して20分くらい常温に置いたほうがナットウキナーゼが活性化するでしょう」(望月氏)
納豆は食の専門家なら誰もが健康美容メリットを挙げるほど、最強の老けない一品だ。