2023年シーズンにおける世界覇権アニメは間違いなく『推しの子』であり、このレトリックをもって日本の芸能・アイドルといったジャンルへの興味も広がっている。
『推しの子』が敷いた認知のインフラを使って、逆にタレントやJ-POP、J-ダンスがどのような海外浸透をみせていくかは今後に期待したいところだ。
安定した人気を持つ『鬼滅の刃』
『推しの子』が放送していた2023年Q2(4~6月)で、配信前の下馬評が高かったのは、当然ながらすでにアニメ化で成功している4作品である。
『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』(3期目)の登録者31万人から始まり、『Dr.STONE NEW WORLD』(3期目)22万人、『トニカクカワイイ』(2期目)15万人、『この素晴らしい世界に爆焔を!』(4期目・スピンオフ)14万人など、貫禄のある数字が放送前から集まっていた。
この4作のトップ独走から始まった2023年Q2だが、アニメにとって2期目以降の課題は「伸びが悪い」点にある。すでに1期目でファンになったユーザーだけが最初に集まる傾向にあり、その後の成長幅が目覚ましくはない。
ただそうした中で『鬼滅の刃』はさすがにPopularity歴代7位の殿堂入りタイトルであり、初動31万から3カ月後にも2倍以上の69万人まで伸ばし、空前の勢いだった『推しの子』を僅差で破り、Q2のMembers数1位を堅持していた。
こうした4つの人気作に対して成長著しかったのは、ダントツの『推しの子』(配信前12万→配信後66万)の5倍に続き、『地獄楽』(14万→57万)、『天国大魔境』(4万→38万)、『山田くんとLv999の恋をする』(7万→33万)などで、ご覧のように人気が“爆上げ”の状況にある。
「アニメ化=成功」とは限らない
ジャンプ+でも高評価だったマンガ『地獄楽』はさすがの躍進で、初アニメ化ながら『推しの子』に比する成長も見せていた。『天国大魔境』が今クールのダークホース1位だろう。