日本のアニメは海外でどのように見られているのか。エンタメ社会学者の中山淳雄さんは「海外のアニメファンは日本と同じタイミングで新作を視聴している。その結果、アニメだけでなくその主題歌も同時に、世界中でバズるようになっている」という――。

写真=AFP/時事通信フォト クランチロール「デーモン・スレイヤー」のレッドカーペット・プレミアに出席した竈門禰豆子(左)と竈門炭治郎=2023年2月18日、カリフォルニア州ロサンゼルスのThe Orpheum Theatreにて。 - 写真=AFP/時事通信フォト

日本のアニメは世界でどう見られているのか

世界中にいるアニメファン約2000万人が集う「MyAnimeList」は、アニメ好きのためのWikipediaのような存在だ。

3カ月ごとに60~70本放送される新作アニメのページが新設され、Members(アニメをリストインしている人)、Score(アニメ評価)、Popularity(Members数の歴代ランキング)、Ranked(Scoreの歴代ランキング)の4つがトップに表示される。当然海外のアニメファンのためのサイトであり、すべて英語。

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ここはエンタメを研究する私のような立場の人間にとって宝の山だ。6~7割が10~20代の若者世代、5~6割が欧米ユーザー、あとはアジア・南米などで日本人はほんの1%未満、という純粋な「日本人以外のアニメファン」サイトだ。

ネットフリックスや海外における最大級のアニメ配信サイト・クランチロールによって世界中に配信されたアニメをどう受け止めているかのリアリティが、ここにある。

競合サイトもほぼおらず、2004年に個人が始め、転々とした後、2019年に買収したのが電子書籍取次最大手の「メディアドゥ」。

本特集は同社からのデータ提供も受けながら公式で「世界のアニメトレンド」を分析していく企画となる。

基本的に分析は人気度を3つのタイミングで計る。

「配信前(=最初にどのくらいの期待値があったか)」、「配信30日後(=最初の3~4話でどのくらい話題になったか)」、「配信3カ月後(=シリーズの最後までにどのくらいがリスト化したか)」の3点を計れば、そのアニメ固有のバズり度合いが見えてくる。

これは「世界からみた日本アニメ・ミシュラン」である。