「男女の関係じゃない」キョウコさんとホストの複雑な関係性
実は、日本では、そのホストと一緒に暮らしているらしい。「好き同士だけど、彼氏彼女じゃないし、男女の関係じゃない」と話す口ぶりには、言葉では説明しづらい複雑な感情や関係性があるようだ。キョウコさんが海外に出稼ぎに行くことについて、ホストは心配もしていたという。あえてその関係性を問うと、“共依存”という言葉が返ってきた。
「私は“これだけお金をつぎ込んできたんだから”という気持ちがあるし、向こうは“これだけ自分にお金をつぎ込んだ女なんだから”という気持ちがある。私も向こう(彼)に依存してるし、向こう(彼)もお金を使う私に依存してる。だから、恋愛関係とかじゃなくても、ちょっとやそっとじゃ離れられない感じになっちゃってる」
淡々と話す口ぶりは、“ホスト狂い”とは結びつかない印象だが…
キョウコさんは、「悪徳エージェントやスカウトに騙される女性が減ってほしい」「考えなしに出稼ぎに行く女性が増えることで、(出稼ぎマーケットにおける)日本人女性の質を落としたくない」という理由で、海外出稼ぎ中に取材に応じてくれた。
「これは書けない話ですが、理解を深めていただくためにお話しすることは可能です」と線引きをしながらも、自分が体験したことについて言葉を紡いでくれた。自身も出稼ぎマーケットにおける当事者の1人でありながら、広い視点でマーケットの動きを捉えている印象だ。
「経験もしてないのに決めつけるのは嫌」という姿勢は、出稼ぎに限らず、これまで自身が徹底してきたことなのだろう。自分が実際に経験したことから分析し、自分なりのルールを設けて実践し、反省点を次回に生かす。いわばPDCAサイクルが機能しているようにも見えた。
淡々と落ち着いて話す口ぶりは、到底“ホスト狂い”とは結びつかない印象だが、そこには複雑に絡み合ったものがありそうだ。