“世界初”も…インドにおけるベジメニューの充実ぶり
「マハラジャマック」について記したが、実は2種類ある。冒頭で取り上げたのは、正確には「チキン・マハラジャマック」という。もうひとつは「ベジ・マハラジャマック」、つまりベジタリアン向けのハンバーガーだ。
パティはマッシュしたジャガイモをスパイスで味付けし揚げたもので、コロッケのような味わいと食感だ。マクドナルド・インドのウェブサイトによると、当初マハラジャマックはチキンだけだったが、2016年にベジ・バージョンを加えたという。ビッグマック系統としては世界全体でも初めてだったそうだ。
マハラジャマック以外のハンバーガーでもベジメニューは充実しており、「ビーフ不使用」と並んでインドのマクドナルドの大きな特徴になっている。KFCについて言えば、フライドチキンやそれをはさんだハンバーガーが売り物だが、ここでも種類こそ少ないものの、ベジメニューが存在する。
外国ファストフードチェーンの話が長くなってしまったが、ベジメニューの充実ぶりはインド料理全般でも同様だ。「ベジ」に対して肉食のことを「ノンベジ(Non-Veg)」、つまり「非菜食」と呼んでいることからは、むしろ菜食のほうが基本とすら言える。
ちなみに、ノンベジという呼称自体インド発祥のようで、筆者は南アジア以外で聞いたことがない。「あの人はノンベジだから……」と当たり前のように使って、南アジアに馴染みのない知人から怪訝な顔をされたこともあるほどだ。
ベジの商品やメニューには緑色の四角の枠に丸を記したマークが、ノンベジには赤色で同様のマーク――日の丸を思わせる――が付けられており、どちらかすぐに見分けがつくようになっている。