ベテラン俳優・伊武雅刀さん(74)のインスタグラムの投稿が話題になっている。自らの畑で収穫した野菜やそれを使った手料理の写真を投稿、また文章にも伊武さん流のこだわりがある。そんな伊武氏が、畑を始めてからの心境の変化、さらに「伊武流スローライフ」の極意について語った。

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“伊武流スローライフ”とは

 畑を始めたのは、もう6年くらい前になります。ぶらぶらと家の近くを散歩していたときに、畑を貸してくれるという看板を見かけたんです。住んでいるのは東京近郊の住宅地ですが、近くの丘を越えた向こうは農用地区域で、農家の人が売りたくても売れない土地がたくさん余っているのだそうです。

 借主募集の看板に載っている写真を見たら、色々な野菜が作れるらしい。しかも、無農薬で栽培できる。我が家は以前からカミさんが無農薬野菜にこだわっていたので、これなら一緒に食べられるし、「やってみようかな」くらいの気持ちで始めました。家から歩いて20分くらいのところにあるので、散歩にもちょうどいいんです。

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畑でいちごを収穫(伊武氏のInstagramより)

〈ベテラン俳優として、映画やドラマに欠かせない存在の伊武雅刀(74)。1967年に俳優としてデビューして以来、その低音で響く美声を活かし、伝説的ラジオ番組「スネークマンショー」や「JET STREAM」、『宇宙戦艦ヤマト』のデスラー総統役などでも知られる。

 いま、そんな伊武が投稿する「インスタグラム」が話題だ。自ら育てた瑞々しい野菜を紹介するだけでなく、それを見事に料理した写真を投稿。穏やかでのどかな内容は、俳優としての強面なイメージとのギャップもあって魅力的だ。氏が実践している“伊武流スローライフ”とは、どんな日々なのか。〉

「インスタグラム」が何かも知らなかったんですが、事務所に言われるがまま、2年ほど前に始めてみました。「いつも楽しく見てます」とか言っていただくんですけど、そんなに面白いものじゃありませんよ。

 自分の畑で採れた野菜や、作った料理をiPadでパパッと撮って載せるだけ。気ままに投稿していますが、どうにも使い勝手が分からなくてね。ついつい文章をたくさん書いちゃうんだけど、カミさんに「インスタっていうのは写真のものなのよ」なんて言われて。俺があまりに文章を書くので、もう皆、飽きてしまったんじゃないかな。

 畑は、いざ始めてみると真面目にやればやるほどいい野菜ができることが分かって、マメに畑に行くようになりました。野菜作りは奥が深い。例えば、9月くらいだと長ナスとピーマンがぼんぼん採れるんですが、3日前にはそんなに大きくなかったナスが、放っておくだけで20センチくらいまで育つ。

 ただ、こういう仕事をしていると、1カ月くらい丸々撮影が入って家に帰れない、なんてこともあるので困ります。